Procreate 3.1アップデート | 待望の手ブレ補正やショートカット機能追加。作業環境がガラリと変わる便利な機能を解説 [前編]

今回のProcreateのアップデートは、待望の「手ブレ補正」や「ショートカット」など便利な機能を追加するメジャーアップデートです。サイドバーに追加された新しいボタンを使いこなせば、作業効率がアップすること間違いなしです。

Procreate 3.1 新機能リスト

自動選択
タップ1つでアートワークのどの部分も選択できます。

ストリームライン
ストリームラインブラシ設定がストロークを安定させ、完全な曲線とフラリッシュを実現します。

クイックメニュー
クイックメニューをオンにすると、描画の邪魔をすることなくお気に入りの機能にすぐにアクセスできます。

カスタムキャンバス
トラッキング解像度(DPI)と同様に、ピクセル、mm、cm、またはインチの単位を使ってキャンバスを作成できます。作成したキャンバスは保存、並び替え、編集、および削除が可能です。

変更ボタン
変更ボタンを使うと、スポイトをこれまで以上にすばやく正確に呼び出すことができます。

PDF書き出し
3つの画質オプションを使って、すべてのアートワークをPDFに書き出すことができます。また、複数のアートワークを1つのPDFファイルに1度に書き出すことができます。

“選択部分を複製”ボタン
選択ツールバーにあるこの新しいボタンを押すと、選択部分を新規レイヤーに即座に複製します。

チルトアングルをカスタム
新しく、チルトが特定のアングルになるとApple Pencilを呼び出すようにカスタマイズできるようになりました。

4K
新しく、iPad Air 2およびそれ以上で最高4Kまでのビデオ画質が可能になりました。

キャンバスの反転
新しく、キャンバスを反転しても拡大/縮小レベルと位置を残すようになりました。

手ブレ補正(ストリームライン)


待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。ついに手ブレ補正機能がProcreateにも追加されました。
各ブラシの詳細設定パネルを開いたら、「ストローク」のタブで補正の強さを調整できます。

初期設定ではオフになっていますので、スライダーを右方向へ動かして好みの強さにしましょう。


今までの補正なしのストロークと比較してみました。
Apple Pencilを使ってかなりゆっくり描くと、細かいブレも正確に線に反映されてしまいます。しかしストリームラインを30%ほど適用すると、ゆっくり描いても後から補正されるためブレがほとんど出ません。


個人的には自然な描き心地を残したいので、鉛筆などのブラシなら5%程度で十分な気がします。補正を強くすればするほど、ストロークの遅延が感じられるようになってきて違和感が出てくると思います。

イラストの主線を入れるなど滑らかさが重要な作業では、10%以上で調整するといいかも。手ブレ補正に対応して、今までは難しかったテイストの絵も描けるはずです。

ショートカット機能(クイックメニュー)


「クイックメニュー」はProcreate独自のショートカット機能です。頻繁に使用する機能を6個のショートカットボタンに割り当てて、キャンバス上に素早く呼び出せるようデザインされています。

タッチ長押しでクイックメニューを表示させる場合、指を離さずそのままスライドすればメニューボタンにアクセスできます。
この操作に慣れると劇的に作業効率があがると思います。


ボタンに配置する機能を変更するときは、タップ長押しでリストが表示されますので、好きなものを選び直します。
以下が選択できる機能のリストです。ちなみに同じ機能を複数並べることも可能です。

クイックメニューに登録できる機能一覧

  • Alphaロック
  • ぼかし
  • ガイドアシスト
  • カット
  • コピー
  • コピーが結合されました
  • ズーム
  • ブラシを選択(好きなブラシを選択)
  • ペイント
  • ペースト
  • レイヤーの内容を選択
  • レイヤーを削除
  • レイヤーを塗りつぶす
  • レイヤーを複製
  • レイヤークリア
  • 下へ結合
  • 垂直方向に反転
  • 新規レイヤー
  • 水平方向に反転
  • 消しゴム

変更ボタンとタッチ・Apple Pencilモードの設定


サイドバーの中央に見慣れないボタンが追加されているはずです。
このボタンは「変更ボタン」と呼ばれ、通常はスポイトボタンとして使用します。

ボタンを押しながら画面をタッチすれば素早くキャンバス上の色を取得できます。

ボタンをタップ → スポイトツール起動
ボタンを押しながら画面上をタッチ → 色をスポイト → ボタンを離すとスポイトオフ

さらにこのボタンには別の機能を割り当てできますので、「高度なジェスチャーコントロール」でカスタマイズしてみましょう。


「アクション」パネルの中の「環境設定」タブを開きます。
1番下に「高度なジェスチャーコントロール」という項目が追加されていますので、これをタップします。


「高度なジェスチャーコントロール」では、今までApple Pencilと指にそれぞれ別のツールを当てて管理していたことを「変更ボタン」も含めて自由に機能を割り当てできます。


まずはApple Pencilとタッチの設定から。これは今までペンモード・指モードと呼ばれていた機能と同じで、Apple Pencilでは描画、指では消しゴムといった使い分けができます。


次にスポイトツールとクイックメニューの割り当てです。
以下の5種類のジェスチャーにスポイト・クイックメニューなどが割り当てられることになります。

  • タッチ
  • 変更ボタンをタップ
  • 変更ボタン + タッチ
  • 変更ボタン + Apple Pencil
  • タッチして押さえる

私はスポイトツールを多用するので、3つの操作にスポイトツールを当てていますが、クイックメニューのほうを優先するなら、割り当てを増やすといいでしょう。

 

以上が今回のアップデート内容解説の前編です。
後編ではさらに自動選択ツールなど新機能と変更点を解説します。

 

 

コメント

  1. 匿名 より:

    いつも楽しく記事を拝見しています!
    自動選択も手振れ補正もずっと欲しかった機能なので嬉しいですねー! 今までは面倒だったアニメ塗りもこれで楽になりそうです!
    後編も楽しみにしています!

    • Necojita より:

      記事見てくださってありがとうございます!
      たしかにアニメ調のイラストも作りやすくなりますね。

      後編もお楽しみに。