iPadのお絵かきアプリ「Procreate(プロクリエイト)」には細かく使用感を調整できる設定があります。この記事では環境設定を自分好みにカスタマイズして、快適に使うためにおすすめの設定方法をご紹介します。初心者の方だけでなく上級者まで役立つ情報を掲載しています。
最新のバージョン5Xに対応した内容に更新しました。
Procreateは環境設定を弄るともっと使いやすくなる
「環境設定」を開く
アプリの上部ツールバーのスパナのアイコンをタップ。
表示されるアクションパネルの中の「環境設定」タブを開きます。
「環境設定」タブには作業の効率化や快適性にかかわる設定が用意されています。以下は私が実際に使用している設定です。「ジェスチャコントロール」の項目はさらに細かい設定があります。
- 明るいインターフェース [ON]
- 右利きインターフェース [OFF]
- ブラシカーソル [ON]
- プロジェクトのキャンバス [OFF]
- 他社製スタイラスを接続(使用しない)
- 筆圧曲線を編集(デフォルト)
- ジェスチャーコントロール(記事後半で解説)
- スピード取り消しの遅延 / 0.70秒前後
- 選択部分のマスクの透明度 / 35.0%前後
明るいインターフェース
まずはインターフェースの設定です。
画面の色を黒か白(明るいインターフェース)の2色から選択できます。ツールの文字は明るい場所では白が見やすく、暗い場所では黒が見やすいと思います。
また明るいインターフェースはレイヤーサムネイルの背景が明るくなり描画内容が見やすいため、レイヤーを多用する人には明るいインターフェースがおすすめです。
- 明るい色の塗り → 黒インターフェースが見やすい
- 黒い色の線画→ 明るいインターフェースが見やすい
線画などは暗い色で描くため明るいインターフェースの方が判別しやすいと思います。あとは好みや絵柄に合わせてその都度切り替えるのがいいでしょう。
右利きインターフェイス
「環境設定」で「右利きインターフェース」をオフにするとサイドバーは左側になります。
ブラシのサイズと不透明度を調整できるサイドバーは、はじめは右側に表示されています。しかし右利きの人なら左側にある方が、右手で描きながらでも左手で操作できて効率的。手のひらでミスタッチしてしまうこともなくなります。
さらにサイドバーの位置は内側に引っ張って、そのまま上下にドラッグすれば位置を調整可能です。特にiPadを縦向きで使うときは位置を調整するとより使いやすくなるでしょう。
ブラシカーソルをON
「ブラシカーソル」をオンにすると、キャンバス上にブラシの形状を細い線で表示します。
ブラシサイズが大きくなり塗り範囲が把握しづらいときなどに便利です。
特に消しゴムツール使用時には修正範囲を確認しやすくなるためおすすめです。
プロジェクトキャンバス
「プロジェクトのキャンバス」機能は液晶モニターにiPadの画面を映すときの設定です。ONにすると以下のような違いがあります。
- ツールパネルなどUIを非表示にする
- 画面サイズは固定されキャンバスのズームや回転が表示されなくなる
OFFにしていると画面をそのまま表示するミラーリングと同じ状態です。しかしONにすればツールパネルを非表示にしてキャンバスだけを画面サイズで表示するため、プレゼンで使用したり図で解説したいときなどに活用できます。絵を描くときの全体プレビューとしても使えますね。
通常は初期設定のOFFのままでよいでしょう。
筆圧曲線をカスタマイズ
Apple Pencilなどの筆圧に対応したスタイラスペンを使う場合は好みに合わせて「筆圧曲線」をカスタマイズしましょう。曲線の上でタップすると青い編集ポイントが追加されます。ドラッグすると曲線が変化して筆圧の加わり方が変わります。グラフの左右が筆圧の強さ、上下がそれに加わる変化の強弱です。
編集ポイントをもう一度タップすると削除、リセットをするメニューが表示されます。
ペン先の感触を柔らかめにしたいときは上に膨らんだカーブに、かたい感じがお好みなら下にへこんだカーブにするといいです。カスタマイズしてよくわからなくなったら「リセット」してまたやり直しましょう。
Apple Pencilの画面に触れた際の筆圧は非常に軽いため、ペンの入りが強すぎると感じるなら一番端の最小筆圧の値を右へ移動させます。
ただしブラシごとにも筆圧設定できるため、特定のブラシでのみ必要な調整はブラシスタジオ(ブラシの詳細設定パネル)で行いましょう。
作業効率UP!! ジェスチャー操作をカスタマイズ
ジェスチャコントロールの設定
「ジェスチャコントロール」ではスポイトやQucikShapeなど10個のツールを、指やApple Pnecilを使ったジェスチャーにどのように割り当てるかカスタマイズできます。(Apple Pencil第2世代モデルのみに対応する機能があります)
- ぼかし
- 消しゴム
- アシスト付き描画(定規ツール)
- スポイト
- QuickShape(自動図形ツール)
- QuickMenu(ショートカットボタン)
- フルスクリーン
- レイヤーを消去
- コピー&ペースト
- レイヤーを選択
- 一般
ジャスチャーの設定方法は描くイラストの作業に合わせてのカスタマイズがおすすめです。以下によく使われるおすすめの設定タイプを3つご紹介します。
おすすめのジェスチャーコントロール設定 3タイプ
[タイプA] 高速なラフスケッチにおすすめの設定
まず鉛筆と消しゴムを頻繁に繰り返すラフスケッチでおすすめの設定です。指でのタッチを消しゴムにすることでボタンを操作することなく消しゴムと鉛筆を使い分けることができます。
- 消しゴム → タッチ
- QuickMenu → タッチして押さえたままにする
鉛筆のラフスケッチではスポイトを使うことはあまりないでしょうから、代わりにQuickMenuを「タッチして押さえたままにする」に設定するとよいでしょう。スポイトの誤動作も防ぐことができます。
[タイプB] 正確な描画でイラストを仕上げたいときの設定
正確にイラストを仕上げたいときに誤タッチを極力なくすための設定です。便利なタッチジェスチャーも完璧ではないためたまにミスが発生します。「一般」で基本となるタッチ操作をオフにします。
- 一般 → タッチアクションを無効にする [ON]
- 一般 → “取り消し”と”やり直し”を無効にする [ON]
2本指タップの取り消しと3本指タップのやり直しもProcreateを代表する便利な機能ですが、思わぬところで誤反応することもありますから無効にしておくと完璧です。左手デバイスを使ってキーボードショートカットを使う場合にも誤動作を防ぐために不要なジェスチャーを切っておくのが賢明ですね。
[タイプC] QuickShapeを使い分けたいときの設定
線をひいてペンを押さえたまましばらく待つと図形が自動作成できる「QuickShape」をさらに活用するための設定です。
- QuickShape → □をタップ
- QuickShape → Apple Pencilをダブルタップ
押さえたまま待つ方法ではストロークの払いを生かすことができません。代わりにApple Pencil(第2世代のみ)のダブルタップを使ってQuickShapeを起動すれば最後のストロークから図形を作成できます。上記以外の方法としては、残念ながらキーボードショートカットにはQuickShapeの割り当てはありませんから、QuickMenu内で起動するのもよいと思います。
「設定」アプリで行う「裏設定」
歯車アイコンのiPadの「設定」アプリでは、キャンバスの回転や動画保存などの設定を変更できます。アプリからは直接操作できない、ちょっとした裏設定と言えます。
画面左側のリストをずーっと下の方にいくと各アプリの項目があります。その中でProcreateをタップすると上のような画面が表示されます。
「キャンバスの方向を記憶」はONにすると回転させたキャンバスの向きをそのまま保存しておけます。向きを変更することが多い人はONにしておくといいでしょう。
「インターフェースの内側にキャンバスを合わせる」は個人的にはONを推奨。弾くようにピンチインするジェスチャーで起動するキャンバスの初期表示を、画面端までにするかインターフェースの内側にするか選べます。画面を出来る限り大きく扱いたい人はOFFにしましょう。
「Palm Supportのレベル」は「無効」がおすすめ。
Apple Pencil使用時にも影響がなく、誤動作の原因になりやすい設定です。
「タイムラプスを無効にする」ではタイムラプス動画を保存するかどうか初期設定を選べます。アプリ内で「ビデオ」の項目でファイル別に切り替えすることもできます。
「単純化した取り消し」をオンにすると、一部の操作を取り消しステップに含まないようにします。こちらもメモリの節約になる可能性があります。
「最大速度設定」ブラシの速度による変化の調整です。特に変える必要はないと思いますが、速く描いたときの変化が強く欲しいときなどは数値を大きくするとよいでしょう。
「優先するファイルフォーマット」ドラッグしたときに出力されるファイル形式を選びます。主に「ファイル」などにバックアップを作る用途で使います。Procreate形式でよいと思います。
「優先するイメージフォーマット」ドラッグしたときに出力される画像のフォーマットです。素早く出力したいときに便利な機能です。デフォルトのJPEGで十分ですが、画質に拘るならPNG形式を選択しましょう。
以上、おすすめの環境設定でした。
ご自身の制作スタイルに合うようにカスタマイズしてみてください。
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