iPadでイラストを描く工程を画面のスクリーンショットで説明しながら、プロクリエイト(Procerate)の使い方と役立つテクニックをご紹介します。今回は線画を元にレイヤーを塗り分けていく過程を紹介していきます。デジタルペイント初心者の方もにおすすめの記事です。
キャンバスの準備とレイヤー数の最大数
まずイラストを描くためのキャンバスを用意します。
右上にある「+」ボタンから追加しましょう。キャンバスサイズに対して使用できるレイヤーの最大数は異なります。レイヤーを多用する塗り方をするなら、練習として初めはスクリーンサイズ(2732×2048px)以上での作成をおすすめします。スクリーンサイズ程度ならよほどのことがない限り最大レイヤー数で困ることはないでしょう。
iPad Pro2020(6GBのRAM)の場合、スクリーンサイズでキャンバスを作るとレイヤーは最大115枚まで使用できます。
下書きは円ブラシなどを使ってラフスケッチする
下書きであるラフスケッチに使うブラシは鉛筆や円ブラシなど幅広く使えるブラシがおすすめです。紙に鉛筆で描いた線を用いる場合は、キャンバスに「追加」から写真をレイヤーに読み込みます。
ラフから線画を作る
下書きを読み込んだレイヤーの上にレイヤーを追加し、イラストに使う線画を作ります。ラフのレイヤーは何とか見える程度の濃さに不透明度を下げておきます。ここでは20%に設定しました。
鉛筆ブラシなどで線画を作ります。ただしこの時点ではまだ線画の準備として作っておいて、さらに清書して仕上げていきます。見分けやすいように線の色は水色にしています。
ここで使用しているブラシは以下のページで無料で配布しています。
先程の線画の上にまたレイヤーを追加して、線をなぞって描いていきます。今度は清書用として粗くないブラシを用います。標準ブラシならシロップやスタジオペンなどがいいでしょう。Procreateの手振れ補正機能である「ストリームライン」は30%くらいにしています。
線画が完成したらレイヤーのブレンドモードを乗算に設定。不透明度もやや下げて(80〜90%くらい)おきます。
別レイヤーに下塗りを作る
線画レイヤーの下に下塗りのためのレイヤーを追加します。ここでは肌や服などパーツごとに別々のレイヤーを作って塗ります。線画レイヤーを「基準」に指定すると塗り潰しツールできれいに塗り潰しできます。しかし細かいところは手作業で地道に塗り潰していきます。
影を塗るときはクリッピングマスクを使う
続けて各パーツに影を描き加えていきます。下塗りレイヤーの上に新規レイヤーを作成。レイヤーをタップして表示されるメニューから「マスクをクリップ」を選択します。これはクリッピングマスクと言われる機能で、下のレイヤーの塗りからはみ出さずに塗る機能です。必要に応じてクリッピングレイヤーを重ねていきます。
ブレンドモード「オーバーレイ」で服の質感を加える
ひと通り描いた衣服にテクスチャーを加えます。主に「調整」の「ノイズ」を使うことが多いのですが直接フィルターを加えると修正が効かないため、別のレイヤーを1色で塗り潰しノイズを加えます。
作成したノイズレイヤーはブレンドモードを「オーバーレイ」に変更し、塗りよりも上でハイライトよりは下に配置します。こうすればいつでもノイズをオフにしたり描きこみの修正をした上でのノイズを加えることができます。
光の表現にはブレンドモード「追加」
作品に強い光を描き入れると魅力的なアクセントになります。今回は背景に円形の光の輪を入れて人物のフチにも描き加えます。
「調整」で色合いを調整して完成
最後は色合いを調整して完成です。細かい部分の描きこみの修正も気づいたときに加えていきます。
まとめ
今回はブレンドモードいくつか使い分けながらレイヤーを重ねて、1枚のイラストに仕上げています。絵の雰囲気に合わせてブレンドモードを使い分けたり、ブラシも工夫してみてください。
今後は別のテイストのイラストも解説記事をUPしていく予定です。ご要望などありましたらコメントまでどうぞ。
↓イラストテクニック解説2を掲載しました。
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