iPad専用の写真加工アプリ「Pixelmator Photo」リリース。機械学習を使用してワンボタンでプロフェッショナルな画像調整を可能に

MacでPhotoshopクラスの画像編集アプリをリリースするPixelmator Teamから新しく「Pixelmator Photo」がリリースされました。機械学習を使った自動補正機能「ML Enhance」やタッチ操作で不要なものを除去するツールなど、iPadで快適に画像修正ができるようデザインされています。
ここではアプリの主な使用方法も解説しながらレビューしていきます。

ワンボタンでプロフェッショナルな画像調整を行う「ML Enhance」を搭載

Pixelmator Photoの編集画面

Pixelmator Photoの編集画面

アプリの目玉とも言える機能が、Appleから提供されている機械学習フレームワーク「Core ML 2」を活用した自動調整機能「ML Enhance」です。この機能は上部ツールバーや各調整パラメータごとに配置されている「ML」ボタンをタップするだけで実行できます。

プロフォトグラファーによる2千万枚以上の画像調整を機械学習によって学ばせ、そのデータから得られた修正をワンボタンで写真に適用します。

また全ての画像調整は元の画像データを残したまま行われる「非破壊型」であるため、編集中いつでも元の画像に戻ってやり直すことができます。

画面をタッチ長押しで元画像を表示

画面をタッチ長押しで元画像を表示

知っておくと便利なジェスチャー操作として、画面をタッチ長押しするとその間だけ元画像を表示してくれます。編集中に元画像と見比べたいときに活用するといいでしょう。

画面をダブルタップするたびに部分を拡大(2本指でのピンチ操作で無段階に調整)、または画面サイズにフィットした表示に戻せる操作もお試しください。

機械学習を活用した画像調整「ML Enhance」を使ってみる

実際に「ML Enhance」の効果をいくつかの写真で試してみましたが、個人的には風景や人物のような写真で最も効果が感じられました。上記の写真では空間がすっきりした印象に仕上がっています。

「ML Enhance」は全体にも一部パラメータだけにも適用できる

「ML Enhance」は全体にも一部パラメータだけにも適用できる

写真全体に「ML Enhance」してから、さらにカラーバランスなど個別に効果の適用を変更できます。ここでも「ML」ボタンをタップするだけでON/OFFの切り替えが可能です。

写真の切り抜きも機械学習で

写真の切り抜きも機械学習で

なんと「ML Enhance」には写真の切り抜きにも適用できます。
こちらも「切り抜きツール」を選択してから表示される「ML 切り抜き」ボタンをタップするだけでOK。なかなか自分では構図を選びにくい場合には使ってみるといいかもしれません。

ただしこの機能でも被写体によっては奇妙な切り抜きになってしまうこともあるため、最終的には自分で判断して使う場面を選ぶ必要があります。

さらに機械学習を生かした豊富なプリセットを組み合わせる

豊富なプリセットをサムネイルで表示

豊富なプリセットをサムネイルで表示

画像調整ツールの使用時に画面下に表示されるプリセットも機械学習を活用して適用されます。プリセットはサムネイル表示されているので、大まかな色味を確認しながら選択できます。

プリセットの解説はタイトルをタップ

プリセットの解説はタイトルをタップ

各プリセットのタイトル部分をタップすると、プリセットの特徴が表示されます。標準で登録されているプリセットは以下の9種類です。さらに「C」のカテゴリに自分で調整した設定を新しいプリセットとして登録できます。

  • BW 白黒(古典的な白黒フィルム)
  • CN シネマテック(映画のようなルックアンドフィール)
  • CF クラシックフィルム(ポートレートやライフスタイル写真に最適)
  • MF モダーンフィルム(肌の色調を強調したり、心地よい屋外ショットを作成)
  • LS 風景(緑と青がたくさんある写真で自然の色とその細部を引き出す)
  • VN ビンテージ(写真に古くても現代的な外観を与えます)
  • UR アーバン(都会の写真用に作成されたプリセット)
  • NX ナイト(夜間に撮影された街の写真と特にうまく連携する)
  • PX Pixelmator Pro(Pixelmator Proのプリセット)
  • C (カスタムプリセットを登録できる)

写真を手軽に加工したいが、一定の質には拘りたい人におすすめのアプリ

「Pixelmator Photo」は手軽に本格的な画像調整が試せる便利なアプリでした。競合する「Adobe Lightroom CC for iPad」と比較すると、機能の質や量だけでなく月額制(修復ブラシなど一部機能は月額550円)で使えるプレミアム機能を多用するかどうかでも評価が分かれると思います。

iPad mini 5でも軽く動作して気持ちよく使える

iPad mini 5でも軽く動作して気持ちよく使える

アプリを購入するときの注意点としては、「Pixelmator」はiPhoneにも対応するアプリでしたが、この「Pixelmator Photo」は現時点ではiPadのみ。iPadモデルも以下のように最新のものに限定されますので必ず購入前にご確認ください。
手元のiPad mini 5でもサクサクと動作しました。

対応iPadモデル

  • iPad Pro 12.9-inch (3rd generation)
  • iPad Pro 11-inch
  • iPad Pro 12.9-inch (2nd generation)
  • iPad Pro 10.5-inch
  • iPad Pro 9.7-inch
  • iPad Pro 12.9-inch
  • iPad Air (3rd generation)
  • iPad mini (5th generation)
  • iPad (6th generation)
  • iPad (5th generation)
Pixelmator Photo (1.0.1)
デベロッパー:Pixelmator Team
価格:600円 (2019/04/11)
互換性:iOS11.0以降 iPad対応

↓写真や図形、テキストを組み合わせて画像を作りたいときには「Pixelmator」がおすすめです。

Pixelmator (2.4.4)
デベロッパー:Pixelmator Team
価格:600円 (2019/04/11)
互換性:iOS9.1以降 iPhone/iPad対応
iOS版 Pixelmatorの使い方解説 | 編集のときに役立つ知っておくべき基本操作まとめ
iPadやiPhoneで凝った画像編集がしたいときに欠かせないアプリ「Pixelmator」の基本操作の解説です。今回は編集作業中に知っておくと便利な機能をまとめみました。 以下のことを知っておけば基本的な操作で困ることはないでしょう。

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