iPad版Photoshopアプリもリリースから幾度もアップデートされて、選択機能がデスクトップ版並みに充実してきました。バージョン1.6.0アップデートでは「境界線調整ブラシ」と境界線の細かな調整機能が追加されています。また2本指を使ったジェスチャー操作でキャンバスを回転できるため自由なポジションで作業が進められます。
バージョン1.6.0アップデート内容
– 境界線調整ブラシツールがPhotoshop iPad版に搭載されました。範囲を選択すると、髪の毛や境界が粗い箇所などの細かい部分にブラシを適用できます。エッジの調整やぼかしなどの調整設定をおこなうことも可能です。範囲を選択すると、エッジを調整ツールが画面上のメニューに表示されます。
– 2本指の簡単なジェスチャーでいつでもキャンバスを回転できるようになりました。iPadを動かさなくてもお好みの角度で作業が可能です。
– その他のバグ修正やパフォーマンス改善も追加されました。
今回の目玉はやはり前回アップデートで予告されていた「境界線ブラシ」の追加でしょう。手作業ではできない微妙な境界線を、自動的に認識してきれいに処理してくれます。写真から切り抜き作業を日常的に行っている人なら、この機能のためだけにも登録してもいいくらいに価値がある機能です。
前回のアップデートで加えられたオブジェクトの自動選択と合わせて使えば、ものすごく作業効率がアップしますよ。
Photoshopなら高難易度の毛先の選択も驚くほど簡単に。
写真から対象物をきれいに切り抜き抜きたい。そんな作業の中で特に難易度が高く、途中で投げ出してしまいたくなるのが人物や動物の毛先の選択です。最新版のPhotoshopならボタンを何度かポチッとするだけできれいにきれいに選択範囲が仕上がります。さらにApple Pencilを使って調整したい箇所をサッと撫でることで、ピンポイントで編集できます。
写真の中の対象物を自動選択したら、今度は境界線を調整していきます。編集画面で画面下に表示されたメニューから「その他」をタップ。さらにポップアップメニューの中から「境界線を調整」をタップします。
境界線を編集する画面に切り替わったら、右上の「表示モード」で選択範囲を確認しやすいモードに変更しておきましょう。画像のようにオーバーレイを選ぶと選択部分が赤色になります。
右側のサイドバーには「エッジの検出」「グローバル調整」など全体の境界線を調整するパラメータが用意されています。「エッジの検出半径」のスライダーを右へスライドさせると、毛先に沿って境界線が調整されました。
さらに難易度の高い毛の1本だけを選択する調整も、Apple Pencilを使ってサッとなぞるときれいに抽出されました。この「境界線調整ブラシ」は左端に表示されているブラシ設定で、用途に合わせた調整を行うえばさらに使いやすくなるでしょう。
また作業中はキャンバスを自由な角度に回転できるようになりました。
ペイントアプリなどと同じように2本指を画面にタッチしたままひねるように動かすと、キャンバスを回転できます。標準の設定では90度など一定の角度にスナップします。回転しないようにしたい場合は、アプリ内の設定画面でオフにすることも可能です。
iPad Pro 2020でアプリの動作が安定してきたのは6GBメモリのおかげ?
iPad Pro2018モデルで前回のバージョンのレビューを書いていたときはアプリがすぐ落ちてストレスでしたが、今回iPad Pro2020モデルを使って作業しているあいだ一度もアプリは落ちずサクサクと動作していました。
メモリが6GBに増えたおかげなのかアプリのアップデートと不具合修正による効果なのかはわかりませんが、この使用環境なら安心して作業ができそうです。あとはもっと機能が増えて欲しいですね。
夏にはまだアップデートが予定されているそうなのでひさびさに期待して待ちたいと思います!
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