ネットで豊富に配布されているPhotoshop形式の高品質なブラシがiPad Proで使えたらかなり便利ですよね。
今回は現状でiOSアプリにPhotoshopブラシをインストールしてみたら、どれくらい使えるか調査してみました。
予想通りうまくいかないものが多かったのですが、これから大きく変わりそうな気がします。
Photoshopブラシ作家「Kyle」さんのブラシで比較
比較に使用するPhotoshopブラシは、有名なKyle T Websterさんが配布されている「Animation Pencil」と「Wet & Wild Brush」の2本です。
以下のページからダウンロードできます。
どのブラシも「.tpl(ツールプリセット)」形式のファイルなので、読み込みに対応しないアプリでは、Photoshopから保存した「.abr」ファイルで試しています。
ダウンロードしたファイルを「Documents 6」に保存して解凍、そのあと各アプリにインストールします。
iOS11がリリースされたらFilesアプリで解凍もできるため、かなり便利になりそうですね。
以下、いくつかのアプリで試した結果をご覧ください。
「Astropad」を利用してPhotoshopをiPad Pro上で使う
まずはPhotoshopブラシをそのままPhotoshopで使用します。
iPad Proの画面からPCを操作できるアプリ「Astropad」があれば、Apple Pencilの筆圧感知を利用して描くことも可能です。
当然ながらPC上で描くのと変わらない感覚で描けます。
基本機能が備わっているStandard版と、サブスクリプション方式で使用する高機能なStudio版があります。
↓詳しくはこちらをご覧ください。
Photoshopブラシをそのまま使いたい場合は、この方法なら確実でしょう。ただしiOSアプリ内で使えているわけではないため、使用できる環境がかなり限定される点は否めません。
Adobe公式アプリ「Photoshop Sketch」
Photoshopとの互換性という意味では間違いない選択肢となるのが「Adobe Photoshop Sketch」です。
「.abr」「.tpl」の両方のファイルに対応しており、ブラシをインストールしてから何の調整もせずに、すぐ使用できるようになりました。
Photoshopブラシの再現度としては最も高いレベルでした。
ブラシの詳細設定画面でもかなり細かく調整が可能です。
以下設定ウィンドウで扱えるパラメータです。
- ブレンドモード
- 不透明度
- 散布
- 先端設定
- 変化 サイズ
- 変化 インク量
- 変化 不透明度
- 変化 散布
- 変化 角度
使用上の問題となりそうなのは、アプリ内での画像調整機能や選択ツールなど描画以外のツールが全くないことです。
これは他のAdobe製モバイルアプリとの連携を前提にリリースされているためですが、やや融通が利かない点でもあります。
意外に使用に耐えなかったアプリ
iPad ProでPhotoshopの代わりとして期待されている「Affinity Photo」は「.abr」形式のインポートが可能です。
実際に入れて試してみると、一応ブラシは扱えるようになりますが、かなり調整しないと使えない状態でした。
また頑張って調整してみたところで、カスタマイズした項目はブラシを変更するだけでリセットされてしまうため効率が悪すぎます。
やはりAffinity Photo向けに作ったブラシを使うほうがいいでしょう。
続いて高機能なペイントアプリ「Paintstorm Studio」でも試してみました。
ブラシの読み込みは「.abr」のみ可能です。
ブラシのインストールはできましたが、全く思い通りのストロークにはなっていません。
ブラシのカスタマイズ設定が多いので、かなり調整すれば使えるようになるかもしれませんが、相当大変だと思います。
未発売の「ArtStudio Pro」は本格的に使えそうなレベル
ここでまだリリースされていないアプリ「ArtStudio Pro」をご紹介します。このアプリは特にPhotoshopブラシをインストールできる点を重視して開発されているため、開発者の方にベータ版をお借りして試してみました。
(※スクリーンショット公開の許可を頂いています。)
ベータ版では「.abr」ファイルのインストールが可能。近いうちに「.tpl」形式もサポートするそうです。
使用してみた感じでは、1つのブラシは設定を少し変更する必要がありましたが、概ね思い通りに使用できました。
ブラシ設定項目も多く、別のブラシもいくつかインストールしてみましたが、「色の変化をつけて葉っぱを描くブラシ」も再現可能でした。
「ArtStudio Pro」はiOS版とMac版で同じ機能のアプリを提供する予定となっています。楽しみですね。(さらにiPhoneでも同じように動作します。)
調査結果まとめ
現状でリリースされているiOSアプリで選択するなら「Photoshop Sketch」一択となります。Adobe製なので互換性も抜群でほとんどのブラシで問題なく使えそうです。
機能が対応しないブラシについては、今後リリースされる予定の「ArtStudio Pro」がかなり良さそうです。
1つのアプリで画像編集なども(実は他にかなり凄い機能も積んでいます。)こなせて、ブラシのインストールもほぼ問題ないレベルです。
「Affinity Photo」や「Paintstorm Studio」は、Photoshopブラシのインストールに関しては期待値には遠く及ばなかったわけですが、アプリ自体は非常に優れていますので、ぜひチェックしてみてください。
というわけで、現時点では選択肢は限られていますが、新iPad Proの登場でPhotoshopブラシ対応アプリが増えてくるかもしれません。
これからも新しいアプリが出たらすぐに試して記事にしていきたいと思います。
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