突然のオープンソース化と作者が行方知れずになったことで最新OSに対応していなかったベクターグラフィックアプリ「Inkpad」が、別のプログラマーの手によって開発が引き継がれることになったようです。
名作アプリが引き継がれて開発継続
「Inkpad」は2011年に元AppleエンジニアのSteve Sprang氏によってリリースされ、2013年にはオープンソース化&無料となりました。
以降2年間は正式に開発を引き継ぐ人は現れず、残念ながらソースをコピーしただけの類似アプリがストアに濫立することとなりました。
その後、Steve氏のデベロッパー契約は更新されないまま終了。ついにAppStoreから「Inkpad」は消えることとなります。
しかし、このたびDerek Pollard夫妻(と数名の有志)によって開発が引き継がれることが決定。Derek Pollard夫妻は原作者とのコンタクトが不可能なため、特に承認を得たりやりとりがあったわけではありませんが、アプリを最新のOSに対応させて今後も使用できるように開発をすることを表明されています。
マルチタッチで軽快に操作できるベクターグラフィックアプリ
InkpadはiPad向けのベクターグラッフィックアプリの先駆けとして登場。タッチ操作でもアンカーの編集などが効率的に行えることを示しました。
例えば、編集ポイントをダブルタップするとアンカーの曲線と直線を切り替えできます。このような操作のおかげで限られた画面サイズを広く活用できます。
さらに外見がシンプルなアプリですが、Adobe Illustratorに近い機能や設定が備わっています。
線の設定パネルでは線の先端の形状を選択。またカーブの処理や破線、先端を矢印にするオプションも用意されています。
画像に注釈をいれたり、ダイヤグラムの作成にも向いています。
テキストも好きなフォントをインストールして使用できます。フォントの管理画面も見やすく、元Appleエンジニアの洗練されたセンスが伺えます。
作者の行方は謎のまま
原作者Steve Sprangさんの行方は未だに定かではありません。アプリを無料化・オープンソース化してからいることから、計画的に身を引いたと考えられます。
どこかのメーカーにスカウトされて(Adobeに引き抜かれてるかも?)表には見えない場所で働いておられるのかもしれません。
ひとまずは「Inkpad」がこれからも使えることを喜びたいですね。
同作者のペイントアプリも引き継がれています。
Apple PencilやiPad Proにも対応します。
コメント
iPadが発売されて6年くらいかな…
そろそろillustratorとまともに互換性のあるアプリが出てくると信じてます。
Adobeでもいいですけどね。