Procreate 4.3アップデートを完全解説(前編) テキストツールやGIFアニメーション出力機能など実用的な機能を多数追加

Savageからお絵かきアプリ「Procreate」の最新アップデート、バージョン4.3がリリースされています。今回は多くのユーザーからの要望であったテキスト機能が追加。ちゃんと日本語の縦書きにも対応しており、文字間や行間などの細かな調整も可能となっています。
Procreate活用の幅が広がる嬉しいアップデートの使い方を詳しく解説していきます。今回はテキスト機能中心に前編をお届けします。

日本語縦書きもOK!テキストツールがついに追加される

多くのユーザーからの要望が集まっていたというテキスト機能がついに解禁。しかもフォントスタイルの調整機能が細かく用意されており、グラフィック制作の仕事に役立つこと間違いなし。海外製アプリにありがちな日本語の縦書きだけは非対応…ということもなく、しっかり縦書き機能が用意されています!

アクション → 追加 → テキストを追加

アクション → 追加 → テキストを追加

実際にキャンバスを開いてテキストを入力してみましょう。
テキストを追加」メニューはアクション(スパナのアイコン)をタップ、表示されるウィンドウ内の「追加」を選ぶと表示されます。写真やファイルを読み込むときもここから行えます。

テキストの横書きと縦書きを切り替える

テキストの横書きと縦書きを切り替える

キャンバスにテキストボックスが追加されました。
テキストの編集中、カーソルが表示されている状態で画面をタップするとメニューが表示されテキストの向きを「縦方向」または「横方向」に切り替えできます。

追加したテキストは描画レイヤーとは別のフォントレイヤーとして扱われます。入力したテキストの内容がレイヤー名になり、サムネイルは「A」として表示されています。

スタイルの編集ボタンからフォントスタイルを調整できる

スタイルの編集ボタンからフォントスタイルを調整できる

キーボードの右上に表示されている「スタイルの編集」ボタンをタップすると、フォントの様々な設定を調整できます。

カーソル位置の調整はテキストから少し横に離れた場所をタップしても行えます。ダブルタップするとテキストを選択できます。

カーニングとトラッキングで文字間隔を調整

カーニングとトラッキングで文字間隔を調整

フォントスタイル」では文字間や行間などテキストのバランスを調整する機能が用意されています。

カーニング」は単独の文字の間隔を変更します。カーソルを入れた場所の文字間をスライダーを使って変更できます。

トラッキング」は複数の文字を選択してから、文字の間隔をまとめて変更できます。

テキストの行間と不透明度の調整

テキストの行間と不透明度の調整

レディング」はテキストの行間を調整します。
不透明度」は文字の不透明度を変更します。文字色は右上のカラーアイコンをタップして変更可能です。

フォントをインストールする方法と管理方法

フォントをインストールする2つの方法

フォントをインストールする2つの方法

ProcreateでiOSにないフォントを使用する場合は、用意したフォントをアプリにインストールします。
現時点で対応するファイル形式はOFTとTTFです。

フォントをインストールする方法は主に2種類。

1つはProcreateの画面にファイルをドラッグする方法。ドラッグしたときにファイルの右上にグリーンの「+」マークが表示されていれば対応するファイル形式です。そのまま指を離せばインストールされます。

2つめの方法は「スタイルの編集」中に右上に表示されている「フォントを読み込む」をタップします。

「ファイル」アプリから「Fonts」フォルダを開く

「ファイル」アプリから「Fonts」フォルダを開く

フォントを一度にたくさんインストールしたいときや、インストールしたフォントを削除したい時にはiPadの「ファイル」アプリを開き、「このiPad内」のProcreateフォルダにある「Fonts」で直接管理します。

日本語フォントの縦書き表示は記号やアルファベットによって差がある

さまざまな漫画フォントを比較してみた

さまざまな漫画フォントを比較してみた

Procerateのテキスト機能を、漫画のセリフ入れに使いたい方には大問題となってくる日本語フォントの縦書き表示について数種類テストしてみました。アルファベットと数字のみ半角です。

「源瑛アンチック」「g_コミックホラー恐怖(R)」などでは括弧や点の表示が横になっておらず文字ごとに修正の手間が必要になります。またアルファベットは横表示、縦表示とフォントによって違いがありますが、縦表示の場合やや左にずれることが多いようです。

いくつか試した中では、「やさしさアンチック」「新コミック体」が不足なく(あくまでProcreateとの相性の問題として)使いやすいと思いました。

過去のアップデートで図形をフリーハンドで描ける機能も追加されたため、フォントの問題が解決したことでいよいよ漫画の制作がiPadのみで成立するようになりました!

Web漫画のように印刷向けのデータを要求されないものであれば、Procerateだけで十分仕上げまでいけるでしょう。

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セリフを複数入れるときには毎回縦書きに切り替えて、文字サイズを変更して…としていると手間がかかるため、フォントレイヤーを複製して文字を打ち直すのが効率的だと思います。
レイヤーの複製は左方向へスワイプすると表示されるメニューから選択できます。

以上フォント機能についての解説でした。

残りの機能については後編の解説記事で行います。

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Procreate (4.3)
デベロッパー:Savage Interactive Pty Ltd
価格:1200円 (2019/04/16)
互換性:iOS12.0以降 iPad対応
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