Savageからリリースの「Procreate」の最新アップデート、バージョン4.3解説記事の後半です。今回はテキスト機能のラスタライズやアニメーションGIFの作り方、新しいブラシ設定の効果を解説しています。
ぜひテキスト機能を解説した前編の記事と合わせてご覧ください。
“前編”の記事はこちらからどうぞ。
テキストの回転や移動を変形ツールで行う
テキストは「変形ツール(カーソルのアイコン)」を用いて移動や変形が簡単に行えます。選択中のテキストに表示されている青い点をドラッグしてサイズを変更、緑の点をドラッグすれば回転できます。
テキストレイヤーには描画レイヤーと同様に、クリッピングマスクやブレンドモードを適用することも可能です。
今回のアップデートでは新しく以下のブレンドモードが追加されています。
- 暗く(Darker Color)
- 明るく(Lighter Color)
- ビビッドライト
- リニアライト
- ピンライト
- ハードミックス
- 分割(Divide)
各ブレンドモードの解説についてはAdobeのサイトが参考になると思います。
テキストをラスタライズする方法
作品に追加したテキストは、ベクターデータとして扱われているためいつでも再編集できますが、ラスタライズすると画像に変換されます。
ラスタライズするにはレイヤーをタップしたとき表示されるメニューから選べます。またワープ変形などを行うと自動的にラスタライズされます。
複数のレイヤーをアニメーションGIFやPDF、PNGとして出力する
今回のアップデートのもう1つのサプライズは、レイヤーをアニメーションGIF、PDF、PNGで出力する機能です。テキスト機能は事前にTwitterでも告知があり予測できましたが、「レイヤーを共有」メニューとして加わったこの新機能はProcreateの可能性を広げる大きなアップデートと言えます。
アニメーションGIFの作り方は、1つのコマを1レイヤーとして作成していきます。またグループを作ると1グループを1コマとして出力できます。
作業中下のレイヤーを非表示にしたいときには、今回追加された新ジェスチャーを活用するといいでしょう。レイヤーの表示・非表示を切り替えるボタンをタッチ長押しするだけで、それ以外のレイヤーをすべて非表示にできます。元に戻すときも同様の操作を行います。
また下のレイヤーをオニオンスキンのように薄く表示したいときは、レイヤーを2本指タップして透明度を調整できるジェスチャーが便利です。
アニメーションGIFを出力するとき、オプションとしてフレーム数や背景の透明、ファイルサイズを「ウェブ対応」「フル解像度」から選べます。「ウェブ対応」を選択すると、長辺を480ピクセルに合わせて縮小します。
レイヤーのPDF出力機能は以前よりあった機能ですが、さらにテキストが追加できるようになったことで活用範囲が広がります。Procreateだけで簡易なPDF電子書籍を作ったり、Webや書籍のデザインカンプ制作も可能になりますね。
前回記事で解説したように漫画のセリフ入れもできるため、自作の漫画(ラフなど)をPDF出力して配布するのもいいでしょう。
初めて2本指と3本指タップジェスチャーのOFF機能を追加
2本指タップで「元に戻す」、3本指タップで「やり直す」ジェスチャーはProcerate発の画期的な操作方法だと思っていますが、やはり誤動作が気になるという方もおられます。
そんな方のためにジェスチャーコントロールの設定に初めて「“取り消し”と”やり直し”を無効にする」が追加されました。これをONにすれば2つのジェスチャー操作を無効にすることができます。
いかに優秀なジェスチャーであっても、Apple Pencil使用中はどのような誤動作が起こるかわかりません。完璧にタッチ操作ミスを減らしたときは、「一般」の3つの設定は以下のようにしておくのがおすすめです。
- タッチアクションを無効にする → ON
- 取り消し”と”やり直し”を無効にする → ON
- ピンチでズームして回転 → OFF
上記のタッチ操作を無効にすると効率化という意味ではマイナスになってしまいます。そういったときにはキーボードショートカットを使ったり、「Quick Menu」を活用することで補えます。
ブラシ設定に「スムーズ」追加
ブラシ設定のApple Pencilの項目に新しく「スムーズ」が追加されています。昔からアプリを使っている方なら、前にもあった機能のはず…と気付かれるでしょう。新「スムーズ」は改良して再追加されたという認識でよいかと思います。
上の画像での試し書きは、それぞれ「スムーズ」の値を変更して線の太さを変えて描いています。いずれのストロークでも筆圧を強めたり弱めたり交互に繰り返しています。
値が0%の場合は筆圧がダイレクトに伝わり急に太くなったり細くなったりしてコントロールしきれていないような線に見えます。一方で値を増やして描いた下の2本は、より自然な変化として感じ取れるはずです。
筆圧の急な変化をゆるやかに補正する機能として、好みにわせて値を調整するといいでしょう。
また前バージョンで筆圧カーブ下にあり、スムーズとして表記されていた機能は「反応時間」に変更されています。筆圧の変化を時間差で与えるパラメータとしてカリグラフィなどで活用できます。
以上、Procreate 4.3アップデート解説でした。
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