Procreate 4.2アップデートの配信が開始されました。以前より公開されてきた情報の通り、今回のアップデートでは「クリッピングマスク」「キャンバスのリサイズ」など強い要望のあった機能が追加されています。さらにジェスチャーだけで図形をきれいに描ける「QuickShape」など惜しみなく新機能が盛り込まれた過去最高のアップデートとなっています。
もちろん新型iPad ProとAppel Pencil(第2世代)にも対応しています。
新機能が目白押しのバージョン4.2アップデート
前回のバージョン4.1の内容が霞むほど重要な新機能が盛り込まれたアップデートが遂にリリースされました。「クリッピングマスク」「キャンバスのリサイズ」といった長い間要望が多かった機能が実装され、この2点だけでも価値があるアップデートです。
さらに「ペンの新しい入り抜き」は他のペイントアプリに戻れなくなる気持ち良さがあります!
Procreate4.2の新ブラシはいいけど、旧ブラシないと困る方はこちらからダウンロードできます。
(開発者アカウントからの配布)
他にも魅力的な機能が多数追加されて、iPadを代表するペイントアプリとしての貫禄が出てきました。間違いなく過去最高のアップデートです。
バージョン4.0〜4.1の新機能にまだついていけてない、という方はぜひ以下の記事でおさらいしてみてください。便利な新機能が増えて使いやすくなっていますよ。
バージョン4.2アップデート内容
最新鋭
最新のiOS、および入手可能なすべてのiPadとAppleアクセサリに完全対応。QuickShape
シェイプを描き、ストロークの最後で押したままにするだけで完璧な楕円、円弧、円、長方形、三角形、その他を作成できます。クロップとサイズ調整
アクションメニューからいつでもキャンバスを拡大したりクロップしたりできます。マスクをクリップ
1つのレイヤーを別のレイヤーにクリップしたら、下のレイヤーのコンテンツに基づいてレイヤーの可視性をコントロールできます。ギャラリーをプレビュー
ギャラリーからフルスクリーンでアートワークをプレビュー。ギャラリー、選択項目、またはスタックのキャンバスを次々とスワイプまたはタップできます。ストロークの入り抜きを改良
新しい入り抜きオプションは入り抜きの強度、先端のシェイプ、および筆圧とタッチのインプット間のバリエーションを正確にコントロールできます。選択部分に“フェザー”効果
正確なピクセル値を用いて選択部分をソフトなエッジに仕上げることができます。シェイプを選択
フリーハンドと自動選択に加えて、新しくキャンバスの一部を楕円や長方形ですばやく選択できるようになりました。新しい“ゆがみ”ツール
“ゆがみ”が2つの新しいブラシ、“クリスタル”と“エッジ”で強化されました。また、“ディストーション”と“モーメンタム”をゆがみのブラシに適用することですばらしいエフェクトを得ることができます。変形をアップデート
それぞれの変形アクションに最適な補間方法を選択したり、新しい均一モードと回転ノードを使用して正確な調整ができるようになりました。全般的な改良
今回のアップデートには, ブラシセットの複製オプション、およびキャンバス間でレイヤーをドラッグ&ドロップできる機能など、数多くの修正と改良も含まれています。
ついにキャンバスサイズの変更とリサイズができる!
まずは強い要望のあった機能の1つ目、「キャンバスの切り抜きとリサイズ」について。使用するには「アクション」→「キャンバス」を開きます。
その中にある「クロップしてサイズ変更」をタップ。
キャンバスのサイズ編集画面に移ります。
表示されている黒い枠をドラッグして好きなサイズを選ぶか、下段に表示されている縦横のサイズに直接数値を入力(タップするとキーボードを表示)します。
キャンバスサイズを大きく変更した場合はレイヤーの最大数も減りますので、確認しながら変更するとよいでしょう。
画像のリサイズを行う場合は、「画像の再サンプル」にチェックを入れてからキャンバスサイズの数値を入力します。
レイヤーにクリッピングマスク機能を追加
「クリッピングマスク」は、レイヤーを多用するイラストでは必須の機能です。クリッピングしているレイヤー(直下にあるレイヤー)をマスクとして描画できるため、線画の調整や塗り重ねの管理が楽にできます。
クリッピングしたレイヤーはPhotoshopや他のペイントアプリと同様に、左端に矢印がありサムネイルは一段右方向に寄せて表示されます。
直線ツールは「QuickShape」に進化!円弧や多角形も描ける
ドロー&ホールド(線の終点でペン先を止めて待つ)ジェスチャーを用いて直線を描く機能「QuickLine」がありましたが、この機能に円や四角形などの図形が描ける機能が加わりました。
「QuickShape」と名付けられ、円や四角形など幅広い作図ができます。描画を決定した後は再編集できませんが、編集中はベクターツールのようにポイントをドラッグして好きなだけ位置を調整できます。
ジェスチャーコントロールには「QuickShape」の項目が追加されており、好きなジェスチャーを割り当てできます。標準ではドロー&ホールドです。
QuickShapeで扱える図形
- 線
- 円弧
- 円
- 楕円
- 三角形
- 四角形
- 長方形
- ポリライン(多角形)
図形が描けると漫画の吹き出しや集中線などもさっと描けますね。
本当にきっちり描くときには別のアプリを使った方が確実だとは思いますが、ラフや落書き程度なら十分だと思います。以下のブラシを使用しています。
注意点としては円形にした場合シェイプは中心を向いておらずやや傾いた状態になります。ベータ版の時点で強く要望は出したのですが、改善されず残念です。
正円や正方形を作るときはQuickShapeに変換後ペンをつけたまま、別の指で画面をタッチします。またペンをつけたままスライドすると図形のサイズ・比率を調整できます。(直線や円弧の場合は終点を移動させることができます。)
You can now draw perfect circles in @Procreate 4.2.
1. Draw a circle, without lifting off the pencil.
2. Hold your finger down on the screen to make to turn it into a perfectly round circle. pic.twitter.com/Nya2XBX2km— Ian Barnard (@Ian_Barnard) November 8, 2018
QuickShapeで入りと抜きをきれいに出したいときは以下の設定をお試しください。
選択ツール・変形ツールの強化
フリーハンドに加えて四角形・円形が追加されています。
また「フェザー」によって選択範囲の境界線をぼかすことが可能です。
「フェザー」選択時に下に表示される「量」スライダーでグラデーションの強さを調整します。
変形ツールでは選択範囲の上部に表示されたポイント(回転ノード)をドラッグしてサイズを固定したまま回転できます。
変形しても画像の劣化が少ない「補完」設定も追加されています。
標準では「バイリニア法」が適用されています。この補完のお陰で以前よりも劣化が少なくなっているように思います。用途に合わせて好きなモードを選択してください。
新Apple Pencilのダブルタップジェスチャーに対応
また各ジェスチャーにはApple Pencil(第2世代)で使える「ダブルタップジェスチャー」の割り当てが可能。QuickMenuや描画アシストなど好きな機能に当てることができます。
おすすめはQuickMenuや描画アシスト。
でも作業に合わせて切り替えるのが一番スムーズに使えると思います。ジェスチャーの割り当てについては工夫しがいがありますよね。
ペンの入り抜きが気持ちよく出る新ブラシパラメータ追加
「ストロークの入り抜き」に追加された設定を見ていきます。
上部の「入り抜き(筆圧)」「入り抜き(タッチ)」の2つのボタンはApple Pencilを使ったときとタッチで描画したときの設定の切り替えスイッチです。指とApple Pencilで描き分けたいときなどに個別に入り抜きの設置が行えるようになりました。
「量」は以前の「入り」「抜き」のパラメータをまとめたもので、入り抜きの強さ(長さ)を調整できます。中央のリングをタップすることで入りと抜きの数値が連動します。
「筆圧」は入り抜きに加わる筆圧の強さを調整。「先端」では入りと抜きの鋭さを調整できます。スライダーを左へ動かすほど鋭角的に、右へ動かすほど丸くなります。
「先端のアニメーション」については後日調べて追記します。
今回のアップデートで入り抜きが大幅に変わってしまったので、どうしても4.1系のストロークに戻したいときは「一般」→「入り抜き(クラシック)」をONにしましょう。
デフォルトではオフになっていますので、新入り抜きが好みであれば変更する必要はありません。
Apple Pencilの筆圧の各パラメータで筆圧曲線の設定が可能に
「Apple Pencilの筆圧」には3つのパラメータがありますが、それぞれに個別の筆圧設定が可能になりました。以前の「ソフト」は「スムーズ」として筆圧曲線の下に表示されます。
ゆがみフィルターに新しいモードが追加
「ゆがみ」フィルターに新しく「クリスタル」と「ディストーション」「モーメンタム」パラメータが追加されました。
水面の揺らぎや炎などのエフェクトを描く際に効果的です。
「ディストーション」は揺らぎの強さを調整します。
「クリスタル」で使うと波の大きさを変化させることができます。
「モーメンタム」はゆがみの勢いの強さを調整します。
「プッシュ」で使うとゆがむ強さが変化します。
2つのパラメータは使用するゆがみモードによって違いますので、それぞれ試しながら調整してみてください。
またApple Pencilではペンの傾きに合わせてゆがみをつける方向を決めることができます。
ギャラリーに全画面のプレビューモード実装
最後に紹介するのはギャラリーでのプレビューモード。
サムネイルをピンチアウトすると全画面で作品を表示、左右にスワイプzして作品を切り替えできます。ダブルタップするとそのまま編集画面に入ります。
まとめ
以上、盛りだくさんすぎるバージョン4.2の紹介でした。
不具合修正のアップデートも近日中にあるので、何か気になることがあればお知らせいただけると嬉しいです。可能な限り開発元にお伝えします。
コメント
キーボードのショートカット
カスタマイズ来なかったかぁぁ!w
残念ですねー!
でもこれだけ沢山の新機能があれば満足です。今回は。
次回以降に期待です。
初めましてNecojitaさん。いつもお世話になってます。
不躾なのですがおそらく日本で最もProcteateに造詣が深い方とお見受けしてお聞きしたいことがあります。
本日Procteate Ver.4.2.1にアップデートしてから選択ツールのフリーハンドで選択範囲の作成中、意図しないタイミングで選択が確定し、意図しない形状の選択範囲が作られてしまう事が多発して困っています。
どうやら選択範囲を作るとき、少しペンを止める(ドロー&ホールド)とQuickShape的に確定してしまうようなのです。
例えば選択ツールで ( ←のようなカーブを描き、ドロー&ホールドすると円形の選択範囲ができてしまいます。
一見便利ですがこれでは入り組んだ形(草花、人物の髪など)を切り出したい時などにペンを全く止めない事は難しいので選択が極めて困難です。私はフリーハンドの選択範囲を多用するので本当に困っています。
これは不具合なのでしょうか?新機能なのでしょうか?
コメントありがとうございます。
フリーハンドの選択ツール、確かにペンをつけていると自動で確定されてしまいますね。
不具合よりも仕様の変更の可能性があります。
ペンを画面から離すと編集が継続できますので、とりあえずそれで工夫してみてください。「選択部分を追加」を選ぶと、確定した後から範囲を追加することもできます。
Necojitaさん。返信ありがとうございます。教えていただいた方法でしばらく凌ごうと思います。
しかしながら個人的にこの機能は百害あって一利なしなので仕様変更だとしたら本当に残念です。
自動確定のドロー&ホールドする時間が0.5秒程度に感じるので、少し過敏すぎると思います。
この機能自体を完全にオフにするか、せめて2秒程度に遅延できるよう開発元に要望を出したいところですが
恥ずかしながら私の英語力では半分も伝わらないかも知れません…(笑)
海外の方が公式掲示板で問題提起してくだされば良いのですが…。
公式フォーラムを探してみたら、すでに報告されており不具合だったようです。
次の修正アップデート4.2.2で解決されるそうです。
https://procreate.art/discussions/4/10/27204
よかったですね。
それは本当に良かったです!
私にとって重要な機能なので頭を抱えていたところでした。
お忙しい中ご親切にどうもありがとうございます。
昨日から長文大変失礼いたしました。