Bluetooth接続対応のiPadやiPhoneで使えるスタイラスペン「Bamboo Sketch」がワコムから発売されました。入手した製品を使ってレビューしていきたいと思います。
2048レベルの筆圧感知に対応、2種類の交換式ペン先付属、2つのサイドボタンで素早くツールを切り替えられるなど、ペンタブレットメーカーのワコムならではの高性能な機能を持つスタイラスペンとなっています。
ワコムから発売のスタイラスペン最新モデルをレビュー
iPadやiPhoneで使用できるWacom製スタイラスペンで最も高機能なモデルである「Bamboo Skecth」が登場。過去に発売されていた「Intuos Creative Stylus」の後継機となるモデルです。
Bluetooth接続することによって、筆圧感知、描画位置の補正、サイドボタンによるツールの起動など便利な機能を利用できます。
Bamboo Sketch の基本性能
- 2時間の充電で15時間使用可能
- 2048レベルの筆圧感知
- 専用のマグネット式USB充電器を使用
- ソフトとハードの2種類のペン先が付属
- 2つのサイドボタンを使ったショートカット機能
- パームリジェクション機能
Bamboo Sketch 対応端末
- iPad 3〜5世代
- iPad Air / Air2
- iPad mini 1〜4
- iPad Pro 9.7インチ/12.9インチ(第1世代)
- iPhoneSE
- iPhone 6 / 6 Plus
- iPhone 6s / 6s Plus
- iPhone 7 / 7 Plus
購入の際にチェックしておきたいのは、iPadモデルが対応しているか、使う予定のアプリが対応するかどうかという点です。
上記のモデルは公式ページに記載されており動作が保証されています。
それ以外のモデルでも動作する場合はありますが、描画位置のズレか起きるなどパフォーマンスが悪くなるでしょう。
Bamboo Sketch対応アプリ
以下は対応を確認したアプリです。
ワコム公式ページに記載されている情報と筆者が調べたものを合わせてまとめていますので、自己責任でご利用ください。
Bamboo Sketch対応アプリ
- Adobe Illustrator Draw (iPad対応)
- Adobe Photoshop Sketch (iPad対応)
- ArtRage(iPad/iPhone対応)
- Astropad Standard (iPad対応)
- Autodesk SketchBook(iPad/iPhone対応)
- Bamboo Paper (iPad対応)
- コンセプト Concepts (iPad/iPhone対応)
- CLIP STUDIO PAINT EX (iPad対応)
- Comic Draw by plasq (iPad対応)
- kakooyo! (iPad/iPhone対応)
- GoodNotes 4 (iPad/iPhone対応)
- アイビスペイント ibisPaint (iPad/iPhone対応)
- メディバンペイント Medibang Paint (iPad対応)
- ジャンプPAINT by MediBang (iPad対応)
- Notes Plus (iPad対応)
- Noteshelf 2 (iPad/iPhone対応)
- Procreate (iPad対応)
- Sketch Club (iPad/iPhone対応)
- Tayasui Sketches (iPad/iPhone対応)
- Tayasui Sketches Pro (iPad/iPhone対応)
- Zen Brush 2 (iPad/iPhone対応)
- ZoomNotes (iPad/iPhone対応)
各アプリで使用する際には、設定画面などでペアリングを行なってから使用します。
パッケージ開封と使用開始の手順
スタイラスペンには豪華なペンケースが付属します。またペンケースにはスタイラスペンと一緒に交換用のペン先2つと充電器を収納できます。
ケースの側面にはペン先チップを取り外すための穴が空いています。
この穴が優れもので本当にすんなり取り外しできました。
ケースは素材感もよく、磁石で蓋がカチッと閉じます。(メガネケースみたいな感じです)
「Bamboo Sketch」を旧モデルのIntuos Creative Stylusと比較。
長さは変わらず、グリップ部分が細くなりました。ゴツイ感じのペンから、筆記具らしい外観へと生まれ変わっています。
ペン軸の重心には癖がなくフラットな印象。
表面は全体的にザラザラしており滑りにくいデザインになっていますが、素材がやや硬いため長時間の使用は疲れやすいように思います。
ペンを使用するには、まず専用の充電器を使って内蔵バッテリーを充電します。
過去のモデルではミニUSBで充電できましたが、充電口の作りが弱い感じなのが気になっていました。
しかし「Bamboo Sketch」ではマグネットで本体と接続。充電中に引っかかったりしても壊れない安心で簡単な充電方法が採用されています。これは良い変更ですね。
代わりに充電器を携帯する必要がありますが、付属の専用ケースに入れて持ち歩けば気にならないと思います。
スタイラスペンの使用感
ペン先の感触
画面に軽く触れるくらいで反応するのでタッチ感度は高いです。
ペン先はやや硬い素材のため画面に接触したときコツっと音がしますが、よほど神経質でなければ気にならない範囲だとは思います。
ソフトとハード2種類のペン先があり、それぞれ硬さに違いがあります。どちらも適度な摩擦を感じさせるゴロゴロとした凹凸を感じます。
ガラス面で使用しても引っかかりすぎず、滑りすぎずちょうど良い摩擦があります。
筆圧感知
2048レベルの筆圧感知をきっちりコントロールするのは難しいかもしれませんが、感度が良くやわらかいのでストレスはありません。
筆圧の弱い人でも苦労することはないと思います。
ペンの握りとサイドボタン
三角形のペン軸は転がりにくくて扱いやすいです。
しかし個人的にはIntuosスタイルのペン先の方が太くなっているデザインの方が好きですね。この細くて直線的なデザインも悪くはないのですが、長時間使用するペンとしてはもう少し丸みがある方が良い気がします。
サイドボタンは、間違って押しやすいのですが慣れれば問題ないかと思います。
アプリによってはボタンを使用しない設定も用意されています。
パームリジェクション
iPad全般でパームリジェクションの精度は低いようです。
誤動作の原因となるため手袋をしたり、タッチジェスチャーをオフにするモードを活用するようにしたいですね。
快適に使うには手袋をはめるか、手のひらを置く布などを用意した方がいいでしょう。
また、iPadを縦置きで使うと手のひらを置かなくても描くことが可能なので、手袋を用意するのが面倒な方は縦置きがおすすめです。
一方でiPhoneならパームリジェクションが不要なため、動作に不満はありませんでした。
交換用のペン先
ペン先のチップは2種類あり、元々ついているソフトペン先に加えて、ケース内にもう一つソフトペン先とハードペン先が入っています。
全部で3つのペン先が付属しているため、すぐにすり減って買い直すことは無さそうです。
ソフトとハードのペン先は、それぞれ画面に接したときの感触が違います。外観の違いは先端の色が違うだけです。
使用感の違いはそれほど大きくなく、好みで選ぶとよいでしょう。摩擦の違いもほぼありません。
アプリごとの使用感
アイビスペイントではパームリジェクションをONにすると、ペン先しか反応しないようになります。この機能のおかげでほぼ誤動作しません。代わりに指でのジェスチャーが使えなくなります。
ピンチズームなどのジェスチャーを使いたいときは、サイドボタンにパームリジェクションON/OFFを設定すると効率よく使い分けできました。
アイビスペイントはAodnit Pixel非対応ですので、iPadで筆圧感知機能を使ってお絵かきするなら、「Bamboo Sketch」一択となりますね。
日本では知名度が低いアプリになりますが「Sketch Club」がかなり使いやすかったです。iPhoneでもツール配置をカスタマイズできて画面を広く使えます。
サイドボタンには「元に戻す・やり直す」のほかに、「ブラシサイズUp/Down」「ブラシ不透明度Up/Down」も選択できるなどスタイラスペンでの使用が快適になるようによく考えられています。
設定パネル内で筆圧のかかり具合を表示できるので、かくにんしてみたところ、「Bamboo Sketch」は筆触がやわらかく設定されていることがわかりました。(中間くらいまでは軽くそれ以降は硬い)
「Autodesk SketchBook」も独自のストローク補正が効いており、ヨレが少ないきれいな線が描けます。手のひらを置いたときに画面下に配置されているショートカットボタンに誤って触れてしまう点を除けばまずまず快適に使えます。
以下は「Bamboo Sketch」対応のお絵かきアプリで比較的使えたアプリです。星を付けたのは特にレスポンスが良かったもの。
これ以外のアプリでも使えなくはないのですが、遅延があったりブレが気になったりすることもあります。
- アイビスペイント(X)
- メディバンペイント
- Autodesk SketchBook ★
- Bamboo Paper ★
- Procreate
- Tayasui Sketches (Pro) ★
- SketchClub ★
- コンセプト
まとめ
ペン先の作りはさすがワコムと言えそうです。
最近のアップデートでProcreateにも対応するようになり、筆圧のコントロールも良い感触です。またアイビスペイントに対応する筆圧感知スタイラスペンですので、アイビスペイントでお絵かきしたい人には、この製品は貴重な選択肢となるでしょう。
iPhoneで使うスタイラスペンとしては、現時点でベストな製品だと思います。iPadに比べて画面が小さいため遅延や位置ずれなどの問題が少なく、慣れれば凝った絵作りもできそうですよ。
筆圧感知がやわらかめなのもモバイル向きです。
アイビスペイントなどiPhoneで人気のアプリが使える点も大きなメリットです。
注意したいのは、公式ページの情報はあまり細かく更新されておらず、対応アプリや端末情報が古いこと。またiPadモデルの性能が遅延に影響するため、古い端末では思うように描けないと思います。
上記のレビューも参考に、現状で使える環境をチェックしてからの購入をお勧めします。
コメント
こんにちは、Procreateの件ですが、昨日対応アップデートが来たようです。よろしければ使用感などをレビューしていただけませんか?
記事をアップしました。
やや不具合が気になるアップデート内容ですので、現時点では無理に使用する必要はなさそうです。
Bamboo sketch を iphone7+medibangを使用したいと考えています。iphoneは未対応とのことですが、実際は使えたりしませんか?
手元のiPhone6sで試してみたら接続はできました。
動作もある程度は可能ですが、位置がズレたりするのでそれほど使い勝手はよくないかもしれません。
未対応だけど使える。でもよくはない。という結果でした。
Wacomはほとんどの場合、新機種への対応もしないメーカーなので、今後のアップデートも期待できないと思います。