Apple Pencilは先端が滑りやすい。これは第2世代になって改善されたもののまだ完璧とは言えません。ペーパーライクフィルムは先端が滑りやすいApple Pencilでも紙に書くような摩擦が得られる特殊なフィルム。愛用者も多い人気のフィルムですが、先端チップへの負荷が高く削れやすいのが難点ではあります。
今回エレコム(ELECOM)から発売の新しいペーパーライクフィルムは「ケント紙」と同程度の摩擦に負荷を抑えたペン先にも優しいフィルムです。
画用紙からケント紙へ。Apple Pencilに優しいペーパーライクフィルムへ
紙としての「ケント紙」は一般的な画用紙に比べるとザラつきが少なく細密な描画に適しています。しかしペーパーライクフィルムには多少摩擦がないと貼る意味が薄れてしまいます。
そのあたりのバランスがどうなっているのか早速購入してみましたので、以下に2018年11インチiPad Pro向けの製品でレビューします。
↓旧製品についてはこちらのページで比較・レビューしていますので、ぜひご確認ください。
ペン先が摩耗しやすい欠点を改善した新しいペーパーフィルム
商品の特徴と説明
■iPad Pro 11インチ 2018年モデルの液晶画面を傷や汚れから守る、指紋防止ペーパーライク反射防止タイプの液晶保護フィルムです。
■時間の経過とともに気泡が目立たなくなる特殊吸着層を採用したエアレスタイプです。
■小さな気泡ができたときには、指などで押し出すことで気泡を抜くことができます。
■特殊表面形状デザインによりケント紙に鉛筆で描いた時の触感を実現します。
■ペン先の磨耗を50%低減させるため、タッチペンを長く使用できます。 ※当社比較 FLAPLと比較。
■指紋汚れを付きにくくする指紋防止コーティングを施しています。
■鉛筆硬度3Hのハードコート加工により、フィルム表面の傷を防止します。 ※硬度は実力値です。
■フィルムを貼ったままでもタッチスクリーン入力、本体操作ができます。
■貼り付け面にシリコン皮膜をコーティングし、接着剤や両面テープを使わずに貼り付け可能な自己吸着タイプです。貼りやすく、貼り直しも可能です。
■端末にぴったりのサイズにカット済みなので、パッケージから取り出してすぐに使用可能です。
■フィルムがキレイに貼れる、専用ヘラと、クリーニングクロス、ホコリ取りシールが付属しています。
この製品の大きな特徴としてはペン先の摩耗を50%低減しておりApple Pencilの運用コストが削減できること、ケント紙に描くような摩擦感を再現していることでしょう。
FaceIDにも対応。貼りやすく気泡の抜けも良好で安心して使える
ELECOMは他の液晶タブレット向けにもフィルムを販売していますし、日本のアクセサリメーカーとして一定の評価があります。iPad向けのフィルムでも、貼りやすく気泡の抜けもスムーズなので安心して利用できますね。
11インチiPad Proの画面サイズに適度に合わせた形状にカットされており、位置合わせなどはそれほどシビアではありません。上部のカメラセンサー部分から貼っていくと失敗が少ないと思います。
この製品ではFaceIDに対応するようにカメラ、センサー部分はカットされていますので、センサーの精度が落ちることはありません。厳密には画面の隅にもセンサーがあるらしいのですが、無くても問題ありませんでした。
ケント紙風フィルムは本当にケント紙っぽい?
一般的な画用紙(安価に販売されているもの)とケント紙を鉛筆で比較してみたところです。ケント紙の方が粒子の密度が細かくザラつきが少なくなっています。
感触だけでなく細密に描けて撥水効果が強いのもケント紙の特徴ですが、本製品では摩擦の強さをケント紙に合わせているそうです。
使ってみた感想としては、ケント紙かと言われるとそれほどケント紙っぽいとは思いませんが、今までのペーパーライクフィルム製品と比べたら断然自然な見た目・触り心地で気に入っています。
表面はさらさらっとした控えめな凹凸を感じますが、ゴロゴロした不快感は全くありません。逆に人によっては摩擦が物足りないと感じる人もいるかもしれませんが、これは好みだと思います。
またフィルムを貼っていても滲みがほとんど見られず非常にクリアな画面を維持できます。ペーパーライクフィルムを貼ると「白くなる」「滲む」といったネガティブな部分が大幅に改善されていました。
デメリットは「ストロークの波打ち」「タッチ感度の低下」
細かい描き味の変化を言うとゆっくり描く際に微妙に波打ちが強くなることがあります。ただし波打ちが出やすくなるのはフィルム全般に言えることなので、エレコムの製品のみが劣っているとまでは言えません。
許容できる範囲だと思います。
通常の使用(一定の速度で描く範囲)ではアプリの補正が効いているため線がブレることはないでしょう。
より気になったのはタッチ感度の低下です。
キャンバスを2本指を使って拡大縮小や移動するときに誤動作することが多く見られます。ペイントアプリでは高速でジェスチャ操作を行なっているため、作業のテンポが損なわれてしまいます。
充電ケーブルを接続したりもう片方の手でiPad Proに触れていると解決できることなのですが、気になる人は相当気になると思います。
おすすめの使い方
フィルムを貼った違和感が少なくiPad Proの液晶の良さを損なわない製品です。何より画面がクリアなことでストレスを感じることなく使用できました。
年末から使用し続けていますが、今のところ剥がそうと思うことなく使い続けています。ペン先の削れ具合なども気になりません。
大きなデメリットとして、やはりタッチ感度が低下するところが気になりますね。ゲームをしたり頻繁に画面を拡大縮小するイラスト制作でストレスとなるでしょう。
一方でiPadの手書きメモには向いていると思います。さらさらっと書けて反射も少ないため紙に書いている感触に近いです。
タッチ感度が悪い点を除けば理想に近いフィルムだと感じていますので、その点を考慮して購入をご検討下さい。
使用感のまとめ
- 摩擦はやや弱め(人によっては物足りないかも)
- 画面がクリアで滲みがほとんどない
- さらさらした音でストレスない
- タッチ感度が悪くなる
- ペン先の削れは確かに少ない
- フィルムは普通くらいの貼りやすさ
- 画面の反射はかなり軽減される
- 指紋はつきにくく良好な使用感
※商品は通常の上質紙タイプとケント紙タイプが併売されています。ご購入の際はご注意ください。
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