最近はiOSのペイント系アプリがどんどん高機能化していて、iPad Proのお絵かき環境は飛躍的に良くなってきています。
iPad Proがリリースされてすぐの頃から比べてどのように変わってきたか、近年の動向と当時のメディアレビューを紹介しながら振り返ってみたいと思います。
iOS11リリースでファイル管理が強化された
iOS11の新機能「ファイル」アプリの追加で、作品ファイルをバックアップしたり整理しやすくなりました。画像とテキストなど違う種類のデータを合わせて管理できるなどファイル管理についてPCの使用感に近づいたと思います。
iPad版Affinity Photoが登場
Photoshopクラスの画像編集アプリ「Affinity Photo」のiPad版が6月にリリースされました。
CMYK形式のファイルを扱えるなどカラープロファイルを管理できるアプリとして、iPadのクリエイティブ環境に足りない部分を埋めてくれています。
さらにIllustratorの代わりとなるベクターグラフィックアプリ「Affinity Designer」も開発中ということです。
AstropadがあればクリスタもPhotoshopも使える
漫画、イラスト制作のためのPCソフトで最も人気のある通称「クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)」をiPad Proでも使いたいという要望に答えているのが「Astropad」です。
Mac上で起動しているクリスタを、Apple Pencilを使用して遠隔操作できます。最近のアップデートではセルシスの協力もあって、タッチジェスチャーにも対応。
まるでiPad Proの上でクリスタが動いているかのような使用感が味わえます。
iOSアプリの進化
iOSのお絵かきアプリも日々進化しています。「Procreate」はバージョン4.0でレイヤーマスク機能などを追加。「メディバンペイント」はキャンバスやレイヤーの制約がほぼないにも関わらずRetina表示に対応しました。
「アイビスペイント」はフォント追加機能、進化した手振れ補正が備わっています。
iOSアプリもデスクトップPCで製作するようなプロユーザーに答えることができるアプリに、徐々に近づいているように思います。
プロクリエイターのiPad Proへの不満は解消されたか
iPad Proがリリースされてから大手メディアで公開された、プロクリエイターによるレビューを確認しながら、今の環境と照らし合わせてみます。
iPad Pro 10.5とSurface Proを比較 人気プロ絵師によるお絵描きレビュー
iPad Proにはポテンシャルはあるものの、iOSの制約があるためPCのような使い勝手が得られないもどかしさがあるようです。
今後もデスクトップクラスのアプリが出るかどうかにかかっていると言えるかもしれません。
「Astropad」を活用することで少しは融通が効くようになったと思います。
Cintiq使いのプロが見た「iPad Pro」の優秀さと限界
Apple Pencilの欠点についてはアクセサリを活用することで少しは軽減されるかもしれません。
最近は関連アクセサリも充実してきています。
iPad Pro+Apple Pencilは商業イラストレーターの道具たり得るか? – 安倍吉俊、大いに描く
「Astropad」のおかげでクリスタも擬似的に使えるようになったので、制作環境としては改善しているのではないでしょうか。
パームリジェクションについては、精度も上がりアプリ側の対応も進んでいると思います。
iPad Proを週刊少年誌の連載漫画家が“液タブ”として使う
iPad Proでクリスタを使うための「Astropad」も使い勝手がよくなりました。さらに遅延が少なくショートカット機能が強化された「Astropad Studio」もリリースされています。
まとめ
2017年の現在、iPad ProとApple Pencilの認知度が上がり、対応アプリは成熟してきています。これからデジタルお絵かきを始めたい人にとって魅力的な環境が整いつつあるのではないでしょうか。
またプロユーザーに応えられるアプリも増えてきており、iPad Proで仕事をするクリエイターも出てきました。
ユーザーが増えることでアプリも良くなっていく好循環が2018年にも続いていくような気がします。
コメント
寺田克也先生のインタビューが面白いですよ(読み物的に)
http://ascii.jp/elem/000/001/196/1196741/
http://ascii.jp/elem/000/001/198/1198212/
貴重な情報ありがとうございます!
寺田先生はいつも最先端で活躍されていて尊敬します。