iPadやiPad Proで漫画を描くためのアプリが急増中です。
メジャーなアプリとしては「クリスタ」こと「CLIP STUDIO PAINT」のiPad版もリリースされており、iPadがあればどこでも本格的な漫画が描ける時代が来ています。
今回は漫画制作のためのアプリと、それぞれのアプリが対応する機能を解説していきます。
iPadを漫画制作ツールに変えるアプリたち
最高峰の漫画制作ツール「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」
「CLIP STUDIO PAINT」はPC番ソフトとしても文句なくNo.1の漫画制作ツールだと思います。
iPad版でもほぼ同じ機能が使えるため、iPad Proとセットで購入を検討する人もいるほど人気があります。
ページを見開きで確認できたり、セリフ入れ、トーン貼りなど必要な機能は全て入っています。
漫画制作用の機能の中でも特に便利なのが、3DCGを使った背景作画機能と有料もしくは無料でダウンロードできるブラシ素材です。
用意されている3DCGモデル(教室や建物など)をキャンバス上にドラッグするとレイヤー内に読み込まれます。
好きな角度に調整したり、部屋の扉や窓を開いたりすることもできます。
位置が決まったらそれをベクター形式の線画に変換。
そのまま背景として使用できます。
背景を描けない人でも立派な背景を手に入れることができるのです。
「Clippy」はCLIP STUDIO ASSETS独自のポイント制で、「クリスタ」で使えるブラシ素材をダウンロードするときなどに使えます。
サイトでは漫画を描くときに使える素材が数多く登録されていて、好きなものをダウンロードしてアプリ内で使用できます。
自作したブラシを配布することで、ポイントを貯めることもできます。
群衆を一筆で描けるブラシなども手に入ります。
素材を提供する側も、素材を購入する側もメリットの大きいシステムが用意されているのが「クリスタ」の強みと言えるでしょう。
漫画制作に使用できるツール
- トーンレイヤー機能
- コマ割りツール
- ページ管理機能
- 吹き出し/集中線ツール
- 3DCGを線画に変換
- 素材のダウンロード機能
将来はジャンプ作家も生まれる?「ジャンプPIANT」
「ジャンプPAINT」は漫画を描くための基本的なツール加えて、漫画家を目指す人に役立つコンテンツを備えた漫画家を育てるためのアプリです。
描画ツールは全て「メディバンペイント」と同じものが使用できます。
無料アプリの割に高機能なツールが使えるため、これから趣味で漫画を描いてみたいという人にも受け入れやすいと思います。
クリスタに比べればシンプルで直感的に使えるツールばかりなので、イラストを描いているうちに覚えた知識の延長で漫画作りに移行できるでしょう。
またアプリから「ジャンプルーキー」にいつでも投稿できるようになっているところにも注目です。
アプリ内には有名作家のラフの上からペン入れできる機能があり、作家がどのような下地から漫画を仕上げていくのか実感できます。
非常に見応えのあるラフがたくさん見れるだけでもアプリをダウンロードする価値がありますね。
有名な作品のラフを複数用意できるのは、協力している「少年ジャンプ」ならではの強みと言えます。
「コマ割りツール」は驚くほど簡単にきれいなコマ割りを作れます。
画面の上で指でなぞると、自動的に指定した幅と線の太さで枠線が描かれます。
こういった誰でも簡単に使えるツールが備わっていると、PC操作に慣れない人の敷居が下がります。
漫画制作に使用できるツール
- 8bitレイヤー
- トーンレイヤー
- コマ割りツール
- テキスト入力ツール
- ジャンプルーキー投稿機能
中高生はみんな使ってる「アイビスペイント 」
イラスト向けのアプリとして、特に中高生に人気のある「アイビスペイント(ibisPaint)」にも、漫画を作れる機能があります。
どちらかと言えば気軽にWebなどで公開するような、ページ数の少ない漫画作りに向いていますが、印刷に耐えるデータを作ることも可能です。
作成した漫画は、専用のコミュニティに漫画を投稿すれば多くのユーザーから反響があり、iOSアプリの中で最もユーザー間のやりとりが活発です。
お絵かきSNSとして長い間コツコツと運営されて来た結果、多くのユーザーを獲得したアプリと言えます。
漫画向け機能としては、トーンレイヤー機能や写真から背景素材を作れるフィルターなどがあります。
風景写真から漫画に使える背景素材に変換できます。
パース定規など様々な作画に対応できる定規ツールも充実。
一見初心者向けのシンプルなお絵かきアプリに見える「アイビスペイント」ですが、作画機能については他のアプリに勝るとも劣らないものがあります。
漫画制作に使用できるツール
- トーンレイヤー
- コマ割りツール
- テキスト入力ツール
- 背景変換フィルター
- パース定規
最強のネーム作成ツール「Procreate」
漫画向けのアプリではありませんが、ネーム作成や下書き用ツールとして人気なのが定番ペイントアプリ「Procerate」です。
定規や素材など漫画向けの便利な機能はなく、ツールが限られている代わりに、描くことに関してのストレスが少ない。
使用する人の画力が生かせるツールと言えます。
中にはペン入れまで使うプロ作家もおられます。
そういった方は、ほかに原稿を整えたり文字入れをするためのツールを用意しておいて、作画のみ「Procerate」で集中して仕上げているようです。
使うツールが少なくシンプルなことは、デジタルに不慣れな人にとっても参入しやすいというメリットがあるかもしれません。
漫画制作に使用できるツール
- パース定規
海外製ながら高機能な「Comic Draw」
最後にご紹介するのは海外製の漫画作成アプリ「Comic Draw」です。
こちらは日本での利用者は少ないと思いますが、比較的漫画制作向けのツールが揃っています。
テキスト入力が横書きのみだったり、吹き出し入力が海外の漫画のスタイルに沿ったものになっています。
「Script Editor」 という機能あがり、セリフをまとめて入力できます。
作成したセリフと作画は並べて表示して、セリフを吹き出しにドラッグするだけで、吹き出し内にテキストが入力されます。
また、iOS向けに最適化されているため、複雑になりがちな三点パース定規も操作しやすい。
全体的に日本の漫画向きな素材が少ないことを除けば、かなり良くできたアプリだと思います。
漫画制作に使用できるツール
- 素材スタンプ
- コマ割りツール
- テキスト入力ツール
- パース定規
- Script Editor
漫画はiPadで描き、iPadで読む時代へ
現在はデジタルで漫画がよく読まれる時代になっていると思います。
スマホやタブレットのような気軽に扱える端末が身近になり、今後は漫画もそういった環境の中で育っていくと思います。
iPadで漫画が描きやすくなってくると、読むのも描くのもiPadという状況も増えていって、描いたものがダイレクトに(正確に)読む人に伝わるようになるでしょう。
iPadって何に使うの?とはよく言われますが、
漫画を描いてみるのも楽しいのではないでしょうか?
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