発売日の11月11日にオンラインストアで予約していた「Apple Pencil(アップルペンシル)」がようやく手元に届きました!今まで数十本のスタイラスをiPadで試しては期待と挫折を繰り返して来ましたが、その長い道程もこの1本のためにあったのかと感慨深いものがあります。
まるで鉛筆なスタイラス「Apple Pencil」を早速レビューします。まずは製品のファーストインプレッションと手書きメモやお絵描きアプリでの使用感について。
待ちに待っていたApple製スタイラスペン
しばらく品薄になっていたApple Pencilがようやく手元に届きました。私は1週間待ちでしたが、まだまだ待っている人がいることは残念。Appleさんにはもっと頑張って欲しいところです。(現在は解消されています。)
Apple Pencilの基本情報
- Apple PencilはiPad Proでのみ使用可能
- 充電式(iPad Proに差し込みも可能)
- 価格は公式Apple Storeで10,800円(税別)
- iPad Pro上でのすべての操作に対応
開封と同梱物
パッケージはビニールを剥がせば、中身をすっと引き出せます。ペン本体と解説書などが入ったケースの2つで構成されています。
解説書と一緒に交換用ペン先と、Lightningコネクタに取り付ける充電用アタッチメントが付いてきます。いずれも小さなパーツばかりなので、無くさないようにケースなどが欲しいところです。
現在は交換用ペン先はAppleから発売されています。かなり硬度の高い素材が用いられているため、そう簡単には削れてしまうことはありませんが、心配な方は購入しておくと安心でしょう。
ちなみに購入する場合は公式Apple Storeで4個入りで2,200円(税別)です。
懐かしいMacの雰囲気を持った「鉛筆」
Apple Pencilを手にして初めに感じたのは、懐かしいポリカーボネート時代のMacのころの製品に近い感触です。
清潔感があり、控えめだけど力強いアクセントが入っている、そんなApple製品の良さが握ったときに伝わってきます。やや重さはありますが、負担になるほどのものではありません。
製品の耐久テストを行った動画でも確認していましたが、ペン軸は握りやすいのに非常に頑丈にできています。長時間使っても疲れにくいのもいい感じでした。
ペン軸は一般的なスタイラスペンに比べれると細いため、耐久性は気になっていましたが、全く心配なさそうです。
ペンの後ろ側のキャップを取り外すと、中にはLightningコネクタが収納されています。コネクタ周りには磁石が内蔵されているようです。キャップは軽く取り外せて、気持ちよく「カチッ」と取り付けできます。
取り外したキャップは充電中は無くさないように気を付けないといけませんが、通常使用している間にポロッと取れるようなことはないでしょう。
↓充電方法や接続トラブルのときはこちらをご覧ください。
実際にアプリで手書きメモやスケッチした使用感
次はApple Pencilをアプリで使用してみての感想です。
発売されてすぐは対応アプリが少なかったのですが、今はほとんどのアプリが対応済みなので安心して使用できます。その中でも特に使用感がよくておすすめのアプリを3つほどピックアップしています。
(手書きメモアプリ、お絵かきアプリはAppStoreに無数にあります。iPad Proは好みのアプリを探すのも1つの楽しみかもしれませんね。それぞれ細かな書き心地が違います。)
当たり前のように手書きメモが書ける
特に漢字を併用する日本語を書こうとすると、細かい動きについこれないことが多かった。しかしApple Pencilでは当たり前のように書けます。
びっくりするサクサク感。
実はiPad ProはApple Pencil使用時だけ、通常のタッチ操作とは違う高精度モードになります。タッチパネルに画面に走らせたペン先をiPad Airなどに比べて2倍ほど細かく認識しているため、高精度な書き込みが可能になっています。さらに独自開発のストローク補正を行い、視認する範囲ではタイムラグ(遅延)が無いかのように見えるそうです。
このストローク補正は「Predictive Touch」と呼ばれ、iOS9から採用されていますが、線を滑らかにするだけでなくAIを組みわせて軌跡を予測したりしてタイムラグをゼロに見せています。
Apple PencilとiOSの組み合わせ、ソフトとハードの連携を得意とするAppleらしいアプローチですね。Apple純正アプリの「メモ」はもちろんサードパーティのアプリでも優秀なものがありますので、以下にご紹介しておきます。
いくつかアプリを試した中では、「Paper by FiftyThree」のペンはサクサク書けて、適度な滲みもあるので手書きメモにも最適。使用できるツールも種類が多く、鉛筆やボールペン、マーカーのほかに、にじみのある水彩、太さの変化の強い万年筆、作図に便利な描画ツールも備わっています。
太さは変更できませんが、色合いは好きなものをスウォッチとして登録しておけます。ほぼお絵かきアプリのような使い方も可能です。写真を読み込んでその上に手書きメモしたり、地図のスクショを撮ってその上に印を書き込んだり、ともかく汎用性の高いスケッチアプリです。
Appleのメモアプリのスケッチ機能は最低限のことしかできないので、よりアイデアメモやスケッチに使いたいならPaperがおすすめです。
鉛筆をリアルにシュミレートすることの面白さ
この鉛筆を最大限に使う楽しさを味わえるのが「Procreate」。アプリの中に登録されている鉛筆ブラシの(HB)や(6B)はペンを傾けて使うと、ペン先から美しいグラデーションが描かれます。デッサンなどで使われる鉛筆のような使い方ができるのは感動ものです。
ProcreateはAppleのiPad Pro発表イベントでも使用されており、おそらくAppleと連携して開発しているのでしょう。反応速度や使いやすさは断トツです。Apple Pencilの持つ「筆圧」「傾き」「パームリジェクション」全ての機能を余すことなく楽しめます。
他のアプリのブラシではここまで再現されているものは少ないので、鉛筆の再現性を楽しみたいならこのアプリが1番のおすすめです。このブログではProcreateの解説記事をたくさん公開してきましたので、もし興味を持たれた方はアプリ解説のまとめ記事もぜひご覧ください。
人に見せたいときは水墨画アプリがおすすめ
いち早くiPad ProとApple Pencilに対応した「Zen Brush 2」は、傾きや筆圧でストロークがダイナミックに変化します。初心者でもApple Pencilの良さを体感できるので、他の人に試しに使ってもらうのにぴったりですね。
↑ブラシ1つで調整なしにドローイング。
これだけの表現がブラシの設定を変えることなく、筆圧や傾きだけで作れるのは凄い。
アプリとスタイラスの組み合わせの強力さを実感できます。
お絵かき用途以外でもApple Pencilが実用的な理由
スケッチや手書きメモを趣味でする人以外にとって、Apple Pencilは必要でしょうか。主にビジネスでも十分に役立ちます。
最もビジネス用途で役立つシーンがPDFへの注釈入れです。これは日本でも書類はPDFで管理することが多く、メールで届いたPDFにペンでメモをしたり、修正を入れる際にiPad ProとApple Pencilは非常に役立ちます。
まずiPadにはPDFを管理・編集できるアプリが豊富です。さらに手書きノートアプリでもPDFを読み込んで編集できるため、自分の資料として保存したり、仕事の相手に編集した資料を送るのにも最適なツールとなります。
iPadでメジャーなPDF管理アプリとしては、GoodNotes 4、MetaMoJi Noteなどがあります。
いずれもPDFのページ入れ替え、メモページの追加、回転、出力などが可能です。
iPad ProとApple Pencilは紙と鉛筆ではない
これ当たり前の事なのですがApple Pencilは紙と鉛筆とは全く違います。私もよく紙と鉛筆みたいと例えてしまうこともあるのですが、伝えたいのは紙と鉛筆の質感ではなく、紙と鉛筆のように気軽に使えるツールであることです。気軽に使えるように、Appleは鉛筆のようなデザインのスタイラスペンを作ったのだと思います。
ワコムのスタイラスペンのように、専用のドライバをインストールするとか、調整しないと使えないなど煩わしい部分を排除して、誰もがすぐに使える精度の高いペンを生み出した。これがApple Pencilの重要な要素なのでしょう。。
(もし質感を紙と鉛筆に近づけたいときには、専用のフィルムを貼ったりカバーをつけるとかなり使用感は良くなります。)
ペン先の滑りやすさ アプリの調整が今後の課題
Apple Pencilは筆圧のコントロールの精密さやペン先の太さなど、気になる点はありますが、すぐに使えて遅延なしの理想的なiPadスタイラスです。
耐久性・バッテリーの持ちの良さなど、誰もが安心して使えます。
初めて使用したときに気になった点
- ペン先がやや滑りやすい
- アプリによっては線が滑らかでないときがある
- 筆圧や傾きの厳密なコントロールは慣れが必要
- 描画位置が内側寄り
思っていたよりもよかったところ
- 製品のデザインが素晴らしい
- Bluetooth接続はスムーズ
- ペンキャップは取れにくく外しやすい
- 高速の手書きメモにしっかり対応できる
- ツールバーの操作なども使いやすい
- ズレやブレもほぼない
- パームリジェクション精度高い
初めはペン先が滑りやすい、画面に対しての感触など気になることはあっても、精度と快適な描画のおかげで使っているうちに没頭して気にならなくなってしまいます。
今後アプリの調整がすすみ、保護シートやペン先の交換パーツなどで摩擦の調整ができるようになると本当に紙のように描けるようになるかもしれませんね。
それぞれのアプリを使い込んでみて解説記事をアップしていきたいと思います。ファーストインプレッションとしては、とても満足しています。
コメント
Apple Pencil、田舎なのでまだまだ在庫ない状態が続いてます。iPad Proもあんまり置いてないです。pencilがすぐに使える様なスマートなケースもこれから出てくると思うので、このまま次期後継機が出るまで様子みようかと思ってます( ̄▽ ̄)
阿川さん初めまして。
ペンのiPadも品薄になっているようですね。
Apple製品は欲しい時が買い時!とは思いますが、買えないようでは困ったものです。
アップルペンシルが反応しません。
使用方法を教えてください。
まずiPad ProのBluetoothをオンにします。
Apple PencilをiPad ProのLightinigコネクタに差し込んでペアリング。
これで使用可能になります。
それでも反応しない場合は、Apple Pencilのバッテリーがあるか、ペン先が緩んでないか確認してみてください。
特定のアプリで反応しないのかなどもうより具体的に状況を教えていただければ、正確にお応えできると思います。