iPad ProやiPadを液タブとして使えるイラストを描くためのアプリ、お絵描きアプリから、実際に試してみて使いやすかったおすすめアプリを掲載しています。
無料版のあるアプリについては有料版より上にリンクを配置。いずれもApple Pencilの筆圧やパームリジェクションなどの機能に対応しています。
多彩な機能を持つアプリの中から自分に合うアプリを見つけて、iPadでモバイルペイントお楽しみ下さい。
Procreate (プロクリエイト)
「Procreate」はiOSに最適化された描画エンジンを採用したiPad最速のペイントアプリ。ストリームライン(手振れ補正)もあり、他のアプリに比べ精度が高いことが評価されています。初めから120種類以上のブラシが用意されており、追加でブラシ形状やテクスチャ画像を好きなだけ登録可能です。
Photoshopに近いブラシカスタマイズが可能で厚塗りやアナログ風イラスト、スケッチなどに向いています。ジャスチャーを覚えることで素早く操作できるようになります。
キャンバスサイズ
A4サイズ 350dpi (2894×4093px):レイヤー最大41枚まで
A4サイズ 600dpi (4961×7016px):レイヤー最大11枚まで
最大サイズ16,000×4,000px:レイヤー最大4枚まで
(※すべて10.5インチiPad Proの場合)
ショートカット/タッチジェスチャー
2本指タップ → 元に戻す
3本指タップ → やり直し
3本指下へスワイプ → コピー/ペースト
3本指Zを描く → レイヤーをクリア
タッチ長押し → スポイトツール
カラーボタンをドラッグ → 塗り潰し
QuickShape(図形変換ツール)
Qiick Menu(ショートカットボタン)
キーボードショートカット対応
扱えるファイル形式
画像データ:JPG/PNG/TIFF/PSD/PROCREATE
書類データ:PDF(出力のみ)
カラーパレット:SWATCHES
ブラシファイル:BRUSHES
動画データ:MP4/GIFアニメーションの出力対応
特徴となる機能
画像調整、フィルター(ぼかし/シャープ/ノイズなど)、選択ツール、変形ツール、遠近法ガイド、左右対象描画、描画過程の動画出力、動画配信(YoutubeやPeriscopeなど)
アプリの長所と短所
- UIがシンプルで画面が広く使える
- ジェスチャを覚えると効率的に作業できる
- iPadで最速の描画速度と遅延のない線
- 直線ツールが素早く使えて便利
- テキスト入力の縦書きにも対応
- ジェスチャを覚えてないと操作に迷いやすい▽
- 外部へのバックアップ方法が手動しかない▽
CLIP STUDIO PAINT EX(クリスタ)
クリスタこと「CLIP STUDIO PAINT」はデスクトップPCで多くのプロクリエイターに支持されてきた高機能ペイントソフトです。PC版とほぼ変わらないインターフェースを採用。漫画やイラスト制作に最適化された高品質なツールがiPadでも使えます。セルシスのクラウドサービスを使えば、手軽にPC版のデータを読み込ませることも可能。iPad版では「エッジキーボード」「コマンドバー」などのショートカット機能が特に強化されています。
キャンバスサイズ
A4サイズ 350dpi (2894×4093px):レイヤー最大999枚
A4サイズ 600dpi (4961×7016px):レイヤー最大999枚
最大サイズ 20,000×20,000px
(PC版と同等の機能があります)
ショートカット・タッチジャスチャー機能
2本指タップ → 元に戻す
3本指タップ → やり直す
2本指でキャンバスを回転
タップ長押し → スポイトツール
エッジキーボード(ソフトキーによるショートカット)
キーボードショートカット対応
扱えるファイル形式
画像データ:JPEG/PNG/BMP/TIFF/TGA/PSD/PSB/IPV(ibisPaint 入力のみ)/CLIP(CLIP STUDIO)
漫画データ(入力のみ):CSNF(CLIP STUDIOネーム)
動画データ:MOV/MP4/Animation GIF(出力のみ)
書類データ(出力のみ):PDF、EPUB
3Dデータ(入力のみ):FBX/LWO/LWS/OBJ/CS3C(CLIP STUDIOキャラクター)/CS3O(CLIP STUDIOオブジェクト)/CS3S(CLIP STUDIO背景)
特徴となる機能
漫画コマ割り、漫画複数ページ管理、スクリーントーン、アニメーション作成、3Dモデル、3Dデッサンモデル、手ぶれ補正、CMYKカラー表示など
アプリの長所と短所
- PC版の高機能なツールが使える
- インターフェースもPC版そのままで扱いやすい
- 独自のショートカット機能が豊富に用意されている
- 一般的なiOSアプリとは仕様が違い慣れが必要
- 使用するiPadの性能が低いと動作が重くなる
- 作品を自動保存する機能がない
アイビスペイント(ibisPaint)
「アイビスペイントX」は解説動画がありデジタルお絵かき初心者でも安心して使えます。作品は動画付き(描く過程を記録)でコミュニティに投稿できるため、他の人の描き方を学ぶこともできます。マンガ系のイラスト作りに便利なスクリーントーンや定規ツール、無料でダウンロードできる素材も豊富に用意されています。
キャンバスサイズ
A4サイズ 350dpi (2894×4093px):レイヤー無制限
A4サイズ 600dpi (4961×7016px):非対応
最大4,096×4,096px/レイヤー無制限
ショートカット/タッチジェスチャー
タッチ長押し → スポイトツール
2本指タップ → 元に戻す
3本指タップ → やり直し
扱えるファイル形式
画像データ:JPG/PNG/IPV(ibisPaint)/CLIP(CLIP STUDIO)
動画データ:MOV(出力のみ)
特徴となる機能
画像調整、フィルター(ぼかし/自動色塗り/球レンズ/色収差など)素材、手振れ補正、定規ツール(直線、円、楕円、集中線、線対称など)、スクリーントーン、パース変形、メッシュ変形、漫画コマ割り、テキスト入力、描画過程の動画出力とYoutube投稿
アプリの長所と短所
- ユーザー層が幅広くコミュニティが賑わっている
- フォントや素材も多く手軽にイラストを飾れる
- 動画でほかの人の描き方を参考にできる
- ブラシのカスタマイズ設定が少ない
ArtStudio Pro(アートスタジオ プロ)
「Artstudio Pro」は前作「Artstudio」の操作性やストロークの滑らかさを残しながらPhotoshopブラシやスウォッチのインストールに対応。Photoshopの作業環境をそのままiPadに持ち込めます。非破壊型の画像編集「フィルターレイヤー」など画像編集機能も充実しています。レイヤー数の上限がなく大きなキャンバスサイズでも動作する点も魅力です。
キャンバスサイズ
A4サイズ 350dpi (2894×4093px):レイヤー数は無制限
A4サイズ 600dpi (4961×7016px):レイヤー数は無制限
最大容量64Mpixまで(iPad Air2以降の端末)
約9,000×7,000px程度まで扱える(iPad Proの場合)
ショートカット/タッチジャスチャー
2本指タップ → 元に戻す
3本指タップ → やり直す
タッチ長押し → スポイトツール
扱えるファイル形式
画像データ:JPG/PNG/TIFF/PSD/HEIC/ARTSTUDIO(Artstudio独自形式)
ブラシファイル:ABR/TPL
カラースウォッチ:ASE/ACO
パターン:PAT
グラデーション:GRD
フォント:TTF/OTF
特徴となる機能
画像調整、フィルター(ぼかし/ノイズ/シャープなど)、テキスト入力、手振れ補正、左右対称描画、図形描画、描画過程の録画、自動保存、複数の作品を開いて編集、覆い焼き、焼き込み、グラデーション、パターン
アプリの長所と短所
- Photoshop向けの素材をそのまま使える
- レイヤー数の上限がない
- 画像編集機能も優秀
- 英語表示なので慣れない人もいる
メディバンペイント(Medibang Paint)
「メディバンペイント for iPad」はファイアアルパカから改名したPC向けイラスト作成アプリ「メディバンペイント」のタブレット版。アカウントでログインすればブラシをダウンロードできたり、作品データを共有できます。
漫画作成向けの機能があり、イラストだけでなく漫画制作にも使えます。
手振れ補正や混色がなめらかで線画、厚塗り両方の描き方に対応できるアプリだと思います。インターフェースがPC的なので、iOSアプリに慣れている人は多少戸惑うかもしれません。逆にPCアプリに慣れているなら親しみやすいはずです。
キャンバスサイズ
解像度(dpi)での指定や漫画原稿サイズが選べます。
レイヤー数の上限なし。(増やしすぎると動作が重くなります)
ショートカット・タッチジャスチャー機能
2本指タップ → 元に戻す
2本指でキャンバスを回転
ショートカットバーに好きな機能のボタンを追加
キーボードショートカット対応
扱えるファイル形式
画像データ:JPG/PNG/PSD/MDP(メディバンペイント)
特徴となる機能
テキスト入力、手振れ補正、定規ツール、ブラシと素材のダウンロード(ログイン必要)、漫画コマ割り、クラウドによるデータ共有
アプリの長所と短所
- 無料でたくさんの機能が使える
- 漫画、イラストに使える機能が多い
- PC寄りのインターフェースなので好みは別れる
Autodesk SketchBook
「Autodesk SketchBook」はプロダクトデザインやストロークを生かしたイラスト作りに定評のあるアプリ。デスクトップ版から引き継がれている実用性の高いインターフェースを採用しています。バージョン4.3より全ての機種で無償で利用できるようになりました。ただしAutodeskアカウントでのログインが必要となります。ブラシはエアスプレーに定評があり、インクブラシもなめらかな補正があって使いやすい。水彩などアナログ風のブラシはやや少なめ。
キャンバスサイズ
最大25,000×4,000px(計100Mピクセルまで)
レイヤー数の上限なし。(増やしすぎると動作が重くなります)
ショートカット機能
キャンバス四隅のコーナーに設定可能
扱えるファイル形式
画像データ:PSD/JPG/PNG
特徴となるの機能
対称描画、塗り潰し(グラデーション)、ガイド、図形、描画の録画
アプリの長所と短所
- 独自のなめらかなストローク補正
- コピックカラーが登録されておりコピックマーカーを再現できる
- グラデーションや図形定規などのツールが洗練されている
- レイヤーのグループ機能がない
- iPad版ではブラシをインストールできない
Adobe Photoshop Sketch
「Adobe Photoshop Skecth 」はAdobeが提供しているモバイルアプリ群の1つ。Photoshopブラシを読み込んで使用できるなど、デスクトップのPhotoshopとの連携を主眼に置かれたアプリです。
染み込むようににじみが広がる水彩ブラシが特に面白い。乾燥ボタンを押すことでにじみを止めることができます。鉛筆ブラシも滑らか。スケッチやブラシのタッチを生かしたイラスト作りに向いています。
キャンバスサイズ
A4やハガキサイズなどいくつかの形式のキャンバスサイズが選択できる
3508×2480px(A4サイズ)の場合レイヤーは20枚まで
ショートカット・タッチジェスチャー機能
2本指左へスワイプ → 取り消し
2本指右へスワイプ → やり直し
3本指左へスワイプ → 履歴
スールバーのカラーチップからドラッグ → スポイト
など
扱えるファイル形式
画像データ:JPG/PNG/PSD(Adobe Creative Cloud使用時のみ)
そのほかの機能
キャンバスにグリッドと遠近パースを表示
さまざまな形の定規(シェイプ)が使える
Tayasui Sketches
「Tayasui Sketches」にはアナログ画材を表現したブラシやツールが20種類用意されています。インターフェースがわかりやすくデジタル初心者でも扱いやすい。画材の特徴を生かしたイラスト作りが得意なアプリ。
各ブラシはキャンバス上でタップすると、画材の特徴を表したスタンプが描画されます。
キャンバスサイズ
10.5インチiPad Proで新規作成は2,224×1,668pxサイズのみ
画像やPSDファイルなどを読み込んだ場合は他のサイズでも扱えます。
レイヤーは無制限に追加可能(有料版のみ)
キャンバス作成時に背景の色とグレイン(テクスチャや罫線)を選択できます。
ショートカット機能
タップ&ホールドでスポイト
ファイルの出力方法
出力:JPG/PNG/PSD(Adobe Creative Cloud出力時のみ)形式
読み込み:JPG/PNG/PSD形式
カメラロールへの保存時にレイヤーを別々にPNG形式で保存できます。
※PSDファイルでは対応しない機能を扱ったレイヤーは読み込みに失敗します。
特徴となる機能
テキスト入力、パターン、図形、描画を録画
Paintstorm Studio
PC版の機能とユーザーインターフェースをそのままiPadに移植した驚きの高機能ペイントアプリ。ウィンドウが小さく表示されるので、Apple Pencilでの操作を前提として購入するのがいいと思います。
描画ツールとして欲しい機能はほとんど揃っています。英語版しかなく解説もほとんどないためやや敷居は高い。遠近に合わせて変化するブラシなど最先端のペイントツールを使いたい人におすすめです。
キャンバスサイズ
最大6,000×6,000pxでレイヤー上限はなし
iPad Pro 9.7では最大サイズのキャンバスは落ちやすい。
複数のファイルを同時に開ける。
レイヤー機能
26種類のブレンドモード、不透明度調整、レイヤーフォルダ、クリッピングマスクなど
Apple Pnecil対応
筆圧、傾き、筆圧曲線調整、パームリジェクション
ショートカット機能
Hot Buttonと呼ばれるボタンをキャンバス上に配置
ファイルの出力方法
出力:PSD/JPG/PNG形式
読み込み:PSD/JPG/PNG形式
ブラシをPSTBRUSHES形式で入出力。ABR形式も読み込めるが正確に反映されない。
そのほかの機能
対称描画、塗り潰し、グラデーション、ガイド、混色パレット、図形など
Infinite Painter
Androidで人気の高機能ペイントアプリがiPadにも移植。ほぼすべての機能が移植されていますが、一部のブラシ機能などが未実装。やや動作が重めですが、機能はデスクトップクラスでありながらインターフェースがシンプルで扱いやすい。
キャンバスサイズ
最大4,096×3,072px
キャンバスサイズが大きくなるとパフォーマンスが落ちる
レイヤー機能
最大キャンバスサイズで8枚まで(iPad Proでは12枚まで)
24種類のブレンドモード、不透明度調整、結合、レファレンスレイヤー機能など
Apple Pnecil対応
筆圧、傾き、パームリジェクション(少し不安定)
ショートカット機能
Apple Pencilと指の切り替え、タッチ長押しにそれぞれにジャスチャー割り当て可能
ファイルの出力方法
出力:psd/jpg/png形式
読み込み:jpg/png形式
そのほかの機能
対称描画、曲線パース、画像編集、塗り潰し、グラデーション、ガイド、図形ツールなど
ArtRage
デスクトップ版Artrage3をiPad向けにカスタマイズして移植した、絵具をシュミレートした異色のペイントアプリ。油彩ツールは立体感のある盛り上げができたり、水彩ツールでは染み込み具合を表現できます。
描画処理のため操作が重くなってしまうことが多いのですが、iPad3のCMでも使われた使って楽しいペイントアプリと言えます。
SketchClub
海外で人気のお絵描き&共有アプリ。作品の共有だけでなく、カスタムブラシもたくさん配布されています。キャンバスの下にショートカットボタンがあるなど独自の便利な機能あり。
Zen Brush 2
水墨画アプリの決定版。多くのクリエイターや書家にも愛用されるほど、ブラシの再現性が高く本格的な水墨スケッチが楽しめる。もちろん書道アプリとしても活躍します。
彩えんぴつ
自然な描きこごちで人気の色鉛筆アプリです。紙の質感とブラシの組み合わせで奥深い表現ができるため、凝った作品を作ることも可能です。インターフェースもシンプルなので操作に迷わずお絵かきを楽しめるでしょう。
無料お絵かきアプリ・手書きメモ・iPadベストアプリ40
プロのイラストレーターも使用している高機能で使用ユーザーも多いアプリを有料無料問わず掲載しています。特に無料のアプリだけをまとめたページも以下に用意しました。iPad定番のアプリ集「ベスト40」もぜひご覧ください。
お絵かきアプリはiPadと共に日々進化
iPadのお絵かきアプリは、iPad Proが発売されるなど端末の進化と共に高機能なものが増えてきています。iOSのわかりやすいインターフェースと高機能なツールのバランスが魅力と言えます。
今後もブログではアプリのアップデートや新機能を随時紹介していきます。